木田画伯、須藤さんから学んだ助けあっての「全力」

2017年10月11日 09:24

野球

木田画伯、須藤さんから学んだ助けあっての「全力」
須藤豊氏への感謝を描いた木田画伯 Photo By 提供写真
 日本ハム・木田優夫GM補佐(49)による今回の「木田画伯の球界絵日記」は、ファーム日本選手権について。7日に行われた同選手権ではウエスタン・リーグ優勝の広島がファーム日本一に輝きましたが、28年前に自身もこの舞台で胴上げ投手になっています。当時の巨人の2軍監督、須藤豊氏(80)の思い出、そしてファーム日本一から学んだことは今もしっかり胸に刻み込んでいます。
 先日、宮崎でファーム日本選手権が行われて、ウエスタン・リーグ優勝のカープがイースタン・リーグ優勝のジャイアンツを破ってファームの日本一になりました。

 この日本一を決める試合は、僕がプロ入りした1987年から行われています。当時のジャイアンツのファームは強く、87、88年と連覇しました。そして89年もイースタン・リーグで優勝し、ウエスタン・リーグ優勝のオリックス・ブレーブスと対戦することになりました。その年の僕は、開幕から1軍にいてプロ初勝利を挙げていましたが、故障もあり、夏前からはファーム暮らしが続いていました。結局、イースタン・リーグ優勝に貢献したわけではなく、ファーム日本選手権の1週間ほど前に調整のために登板したシート打撃でピッチャーライナーを右肩に受け、万全ではない状態。当然、僕自身も周りの人たちも、チームが勝つためには、僕以外に結果を出していて調子のいい投手が投げるべきだと考えていました。しかし、これは後で聞いた話ですが、当時の2軍監督だった須藤豊さんが「今年のファーム選手権は木田で勝たなければ意味がない。木田が投げられる状態に戻るなら投げさせる」と言ってくれて、トレーナーのみなさんの協力もあって何とか投げられる状態に戻り、最後リリーフに出てファームとはいえ、日本一の胴上げ投手になりました。

 ファームの勝ち負けはあまり重要ではないですし、勝つことが必ずしも選手の成長につながるとは限りませんが、この試合は須藤さんのおかげで周りの期待に応えるために全力を尽くすこと、そしてそれは一人ではできないことを学べました。今、宮崎ではフェニックス・リーグが開催されています。ファイターズの若い選手が試合の中でいろいろなものを感じて成長していくことを信じています。 (日本ハムGM補佐)

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