44歳イチロー 美技より球団史上最年長安打「凄く重い一本」

2018年04月02日 05:30

野球

44歳イチロー 美技より球団史上最年長安打「凄く重い一本」
<マリナーズ・インディアンス>3回、一塁へ懸命に走って今季初安打となる二塁内野安打としたイチロー(AP) Photo By AP
 【ア・リーグ   マリナーズ5―6インディアンス ( 2018年3月31日    シアトル )】 マリナーズのイチロー外野手(44)が31日(日本時間1日)、「9番・左翼」で出場したインディアンス戦で攻守に躍動した。3回にフェンス越えの大飛球をもぎ取る「本塁打キャッチ」を見せ、打っても今季初安打を放つなど2安打。球団史上最年長安打を記録し、メジャー歴代21位の通算3082安打とした。試合には敗れたが、6年ぶりに復帰した古巣シアトルのファンを酔わせた。
 セーフコ・フィールドが「イチロー劇場」と化した。総立ちの拍手が湧き起こる。3回だ。3番ラミレスの左翼後方の大飛球に、イチローは最短距離で落下点へ。完璧なタイミングでジャンプし、フェンスを越えようとした打球をもぎ取った。

 「言うほど難しいプレーじゃないです、そんなに」。スコット・サービス監督に「僕にとってはルーティンです」と言ったが、当然、簡単な芸当ではない。「エリア51」と呼ばれた右翼でなく、左翼を守るのは18年目でわずか3度目。「レフトで経験がないので、そこの難しさはありました。ただ、捕りますけど」と笑った。

 右ふくらはぎの張りの不安を乗り越え、開幕スタメンを果たした。そして2戦目。現役最年長野手はこのプレーに別の意義があると強調した。「(シーズンの)早い段階であの打球を打ってくれるのは助かりましたね。やっぱり守備も(周囲への)印象がある。その意味で大きいですね」。レギュラーが確約されない中で、健在ぶりをアピールできた。

 直後にはバットでも結果を出した。3回、先発右腕カラスコから今季初安打となる二塁内野安打。44歳160日で球団史上最年長安打となった。所属先決定が3月までずれ込んだだけに「この1本があるかどうか、ずっと分からないままこの冬を過ごしてきた。その意味で凄く重い1本になりました」と感慨を込めた。7回にはメジャー屈指の救援左腕ミラーのスライダーを左前に運んだ。

 メジャー通算907度目のマルチ安打で、通算3082安打。キャップ・アンソンを抜いてメジャー歴代単独21位に立ったが、特別な思いはない。「毎日セーフコに来てプレーできることがうれしくて、そんなことはどうでもいい。ここで野球ができるのは、本当に気持ちいい」。6年ぶりに帰還したシアトルで、ファンと喜び合えた充実感に浸った。(シアトル・笹田 幸嗣通信員)

 ▼マリナーズ、スコット・サービス監督(イチローの本塁打キャッチに)彼のルーティンであることに感謝しているよ。私が44歳の時は、そんなルーティンはなかったからね。

おすすめテーマ

2018年04月02日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム