ロッテ井口監督　３連勝呼ぶ非情采配　土肥初先発初勝利あと１人で交代

2018年05月21日 05:30

野球

ロッテ井口監督　３連勝呼ぶ非情采配　土肥初先発初勝利あと１人で交代 — ＜ロ・ソ＞勝利投手の権利まであと１人のところでマウンドを降りる土肥（撮影・森沢裕） Photo By スポニチ

【パ・リーグロッテ８―４ソフトバンク（ 2018年5月20日ＺＯＺＯマリン）】迷いはなかった。柳田の犠飛で４―２と２点差に迫られ、なお５回２死二塁でデスパイネの場面。ロッテ・井口監督がベンチを出る。マウンドにはプロ初先発した２年目左腕の土肥。プロ初勝利の権利を得るまであと１アウトだったが、非情の交代が告げられた。

　「一発を打たれれば同点だった。チームの勝利と今後の期待も含めての交代でした」。指揮官の下した決断が、古巣相手に就任１年目で初の同一カード３連戦３連勝を呼んだ。

　代わったのは勝ちパターンで終盤に出てくる益田だった。デスパイネには四球を与えたが、５番のグラシアルは遊ゴロ。回またぎで６回まで抑えた。「追いつかれたらホークスは手ごわい。一気に来られる。イニングは浅かったけど、強い球で抑えられる投手をと思った」と指揮官。現役時代も対戦した古巣の底力を肌で感じたからこそ、勝負を左右する場面で鼻が利いた。

　非情の裏には温情がある。ベンチに戻った土肥へ真っ先に声を掛けたのは井口監督だった。「次もあるぞ。準備しておけよ」。先発ローテーションの合格通知。柳田からは２三振を奪うなど爪痕は残した土肥は「次はノーアウトの走者をなくしていきたい」と初白星を逃したことより、意欲が上回った。

　開幕から４連敗を喫していたソフトバンクに３連勝し、借金を３に減らした。「交流戦までには貯金をつくりたい」と井口監督。継投策で得た手応えが返済計画を口にさせた。　（福浦　健太郎）

　▼ロッテ・益田（好救援で白星）土肥のためにもチームのためにも頑張った。