野球も攻撃と守備の2チーム制にしてみたら面白い?

2020年12月28日 15:34

野球

野球も攻撃と守備の2チーム制にしてみたら面白い?
巨人・山口オーナー Photo By スポニチ
 【君島圭介のスポーツと人間】セ・リーグも指名打者(DH)制を導入するべきか、議論になっている。DH制の根本には「点が入らない試合はつまらない。客が来ない」という考え方がある。大リーグのア・リーグが観客動員数の低迷を打開するために73年から採用した。
 ロースコアの試合がつまらないか(個人的には投手戦は大好きだ)はさておき、この考え方の行き着くところは打線全員がDHではないだろうか。1番から9番まで全員が強打者。守備は全員がスペシャリスト。すでにアメリカンフットボールが採用している方式だ。きっと迫力があるだろう。

 ただ、ドラマ性は減る。攻守兼任ならピンチに美技を魅せた選手が次の回に打席に立てば盛り上がるし、逆にエラーした選手はバットで取り返すチャンスもある。守備でケガをした選手が痛みをこらえて打席で打って、必死に走る姿は胸を打たれる。それもスポーツの醍醐味だ。

 一方で、全員DHなら攻撃は破壊力があるだろうし、守る方も専任なら超人的なプレーが続出するだろう。野球もアメフット同様に攻守が入れ替わるルールだから可能だ。ましてアメフットにはある相手にボールを奪われて一瞬で攻守が入れ替わるターンオーバー制もない。むしろ野球の方が総入れ替えに向いているかもしれない。

 現実にはDHの強打者を1人余分に契約することに経済的負担を訴えるプロ球団があるくらいだ。レギュラーを18人抱えることになれば人件費も跳ね上がり、球団経営が成り立たなくなる。
 競技人口も減少している今、高校野球はもちろん、大学、社会人、リーグ戦を実施しているプロ野球も攻守総入れ替え制の導入は不可能だろうし、今後も議論になるとはさすがに思えない。少なくとも今世紀中はないだろう。

 そこで国際大会ならどうだ。WBCで導入してみれば面白そうだ。レギュラーシーズンを控える選手の身体的な負担も減る。野球が盛んではない国では、案外に打つだけ、守るだけの方が競技に取り組みやすいのではないだろうか。何より、これぞ「世界最高」というプレーを見せやすい。

 本質を捉えれば、9人でやるという伝統は守るべき。ただ、野球というスポーツの可能性を広げるため、22世紀に向けて、WBCの舞台なら攻守総入れ替え制もトライする価値はあると思う。(専門委員)
 

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