エンゼルス・大谷2打席連発 松井31発超えすら予感させる左方向へ「引っ張った」ような弾道

2021年03月17日 02:30

野球

エンゼルス・大谷2打席連発 松井31発超えすら予感させる左方向へ「引っ張った」ような弾道
<エンゼルス・レッズ>3回に2打席連続本塁打を放った大谷(AP) Photo By AP
 【オープン戦   エンゼルス3ー7レッズ ( 2021年3月15日    テンピ )】 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が15日(日本時間16日)、レッズとのオープン戦に「2番・DH」で出場し、初回、3回にともに逆方向となる左翼席に2打席連続弾。ロレンゼンとの「二刀流対決」に圧勝した。18年にメジャー初の「左翼弾&2打席連発」を同時達成した試合を現地で取材した担当の柳原直之記者(35)は打撃フォームが理想型に近いことを強調。04年に松井秀喜(ヤンキース)が記録した日本選手最多の31本塁打超えも予想した。
 逆方向となる左翼席への2発。1本目は本人いわく「払うような感じ」で打ったが、圧巻は2本目だ。アッパースイングのようにかち上げ、左中間最深部の芝生席上段まで運んだ。投手寄りのミートポイントで逆方向に「流した」のではなく手元まで引きつけ、まるで「引っ張った」ような強烈な打球。これまで比較的少ない弾道だ。

 メジャー1年目の18年8月3日のインディアンス戦。初の左翼弾を含む1試合2本塁打を初めて記録した試合を記者席から見た。持ち味の逆方向への強い打球が減っていたことに「させてくれなかったという表現の方が正しい。150キロが当たり前の中でなかなかできなかった」と苦悩を語っていた姿を鮮明に覚えている。当時は球場施設内ケージでのマシン打撃で、カーブを想定して打ち込んでいた。剛速球に惑わされることなく緩い球を打つことで、体の内側からバットを出してボールを強く押し込むことを体に染みこませていた。2本目は、まさにそのカーブを捉えたものだった。

 印象的だったのはオンライン会見で米メディアから「逆方向を意識しているか?」と問われた際に語った「そんなことはない。自然に向こうに上がっている感じ」という言葉だ。少年時代、花巻東、そして日本ハム時代にも重点的に取り組んでいた逆方向への打撃。現在も「調子のバロメーター」と表現する打撃が、理想の形に近づいていることを物語る。19年10月に手術した左膝膝蓋(しつがい)骨が完治したことや軸足により、重心を置く新たな打撃フォームも好調の要因だろう。

 日本選手の最多本塁打は04年にヤンキースの松井秀喜(現ヤ軍GM特別アドバイザー)が記録した31。松井は典型的なプルヒッターだったが大谷は広角に打てる。得意の中堅方向や左翼ポール際に加え、左中間にも強い打球を継続して飛ばすことができれば、記録更新の可能性は十分だ。(柳原 直之)

 ▽大谷の1試合2本塁打 メジャー移籍した18年以降では3度記録。初めて記録した18年8月3日のインディアンス戦は初の逆方向弾や敵地弾でもあった。2度目は同年9月5日のレンジャーズ戦。右肘手術の勧告を受けた直後だったが、2本目で日本選手1年目の最多記録の18本に並んだ。3度目は19年6月30日のアスレチックス戦。月間32安打、9本塁打、22打点とし、いずれも自己最多を更新した。

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