エンゼルス・大谷 イチ番、イチ安打、イチ盗塁 相手ベンチにいる憧れの人の“定イチ”で魅せた

2021年03月19日 02:30

野球

エンゼルス・大谷 イチ番、イチ安打、イチ盗塁 相手ベンチにいる憧れの人の“定イチ”で魅せた
<マリナーズ・エンゼルス>2回、重盗で今オープン戦初盗塁となる三盗を決めた大谷 Photo By 共同
 【オープン戦   エンゼルス7ー4マリナーズ ( 2021年3月17日    ピオリア )】 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が17日(日本時間18日)、マリナーズとのオープン戦に「1番・DH」で出場。2回に8試合連続安打となる左前打を放ち、今季初盗塁も決めた。マ軍ベンチで尊敬するイチロー氏(47=会長付特別補佐兼インストラクター)も熱視線を送る中で、同氏の指定席だった打順で躍動。規定打席未到達ながら打率は驚異の・600となった。
 イチロー氏はパーカ姿でフードをかぶり、黒いマスクを着用して相手ベンチに座っていた。その存在は大谷にとって何よりのモチベーションと言える。偶然にも今オープン戦で初めて同氏の「指定席」だった1番で出場。尊敬する大先輩の現役時代のように打って、走って、躍動した。

 初回、先発右腕フレクセンから四球を選ぶとウォードの左前打で左翼手がもたつく間に一気に三塁に到達。続くウォルシュの先制の右前適時打で本塁に生還した。2回は極端に右寄りに守る「大谷シフト」を敷いていた内野陣をあざむくかのような左前打で8試合連続安打。その後、二塁進塁後に重盗で今オープン戦初盗塁の三盗を決め、アデルの三ゴロで5点目のホームを踏んだ。試合前に「1番で見てみたかった」と話していたジョー・マドン監督も納得の内容。豪快な一発こそなかったが、リードオフマンの役目を果たした。

 大谷とイチロー氏は日本時代から親交がある。試合前にはアイルランドの祝日「セントパトリック・デー」にちなみ、同国のシンボルカラーの緑の帽子をかぶった大谷があいさつのために歩み寄り、談笑する姿があった。不振に苦しんだメジャー1年目の18年には開幕前にバット1本を持って同氏の自宅を訪れ助言を受けたこともある。同氏は大谷について「サイ・ヤング賞を獲った翌年には本塁打王。そんなことを現実にできる可能性のある選手が、この先の未来に出てくるでしょうか?」と話したこともある。日米通算4367安打を誇るレジェンドをも魅了する才能だ。

 大谷は規定打席未到達ながら打率6割まで上昇。試合前、ペリー・ミナシアンGMは大谷について「驚きはない。オフの取り組みから良い成績を残すと思っていた」と語っていた。二刀流完全復活を目指すメジャー4年目の開幕は近い。かつてイチロー氏が躍動したマ軍のキャンプ地ピオリアで弾みをつけた。(ピオリア・笹田幸嗣通信員)

 ≪「翔平に投げてみたい」イチ氏が打撃投手熱望?≫イチロー氏は試合前から「試合は見る予定ですよ」と目を輝かせていた。練習では打撃投手として正遊撃手クロフォードらに約15メートルの至近距離から速球を投げ込み「この方が練習になるから」と各打者のバットを詰まらせていた。マウンドからは「ステイバック!(重心を残せ)」と助言。「このくらいの(速さの)球を投げていると誰がいいバッターか分かるよね」と話し「翔平(大谷)にも投げてみたいなぁ」と思いを巡らせていた。

 ▽大谷とイチロー氏 大谷が小学2年で野球を始めた頃には、すでにイチロー氏はメジャーリーガー。同じ左打者で憧れ、過去にメジャーを志した最初のきっかけにも挙げ「イチローさんが(メジャーに)行ったりとか、大型契約の選手がいて注目されて、試合が流れているのをよく見ていた」と話している。日本ハム入団後は当時の打撃コーチでイチロー氏と親交が深い林孝哉氏(現スカウト)を介して何度も食事をともにしている。

おすすめテーマ

2021年03月19日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム