楽天・マー君 巨人相手に7回1失点 8年ぶり対決の坂本には四球&中飛「シーズンでいい勝負できたら」

2021年03月21日 05:30

野球

楽天・マー君 巨人相手に7回1失点 8年ぶり対決の坂本には四球&中飛「シーズンでいい勝負できたら」
<巨・楽>先発の田中将が坂本と対戦 Photo By 共同
 【オープン戦   楽天6―3巨人 ( 2021年3月20日    東京D )】 楽天の田中将大投手(32)が20日、巨人とのオープン戦に先発。開幕2戦目である27日の日本ハム戦(楽天生命)の先発を任される右腕は、最後の調整登板で7回3安打1失点と好投した。小学生時代のチームメートでもある巨人・坂本勇人内野手(32)とも13年の日本シリーズ以来の対戦が実現。ヤンキースから8年ぶりに古巣に復帰した右腕が再出発のシーズンへの準備を整えた。
 「精出せば 凍る間もなし 水車(みずぐるま)」。江戸時代中期の俳人、松木珪琳(けいりん)が詠んだ句だ。どんなにいてつく寒さでも、せっせと回り続ける水車ならば決して凍り付くことはない。「継続は力なり」や「全力を尽くせば不具合が起きる間もない」などの意味がある。

 20年前、昆陽里(こやのさと)小6年の田中将と坂本はその俳句を課題で書かされた。その仕上がりは対照的。両者の性格がにじみ出ていた。丁寧な字で、きっちり枠の中に収めたのは田中将。坂本は枠からはみ出したが、力強い文字となった。プロ野球で再び交差し、日米に分かれた2つの道。異なる環境で全力で回り続けた2つの水車が8年ぶりに18・44メートルの距離で対峙(たいじ)した。

 田中将は「投げながら、いろいろ感じる部分はありました」と言った。腰の張りが治り「3番・遊撃」で5試合ぶりに復帰した坂本との最初の対戦は初回2死。低めの変化球で誘うがフルカウントまで粘られ、7球目のこの日最速の150キロ直球が内角高めに外れ四球を与えた。4回の2度目の対戦は149キロ直球で中飛。打った直後、坂本は悔しがるそぶりを見せたが、打球は背走した中堅手がフェンス手前でジャンプ捕球するまで伸びた。球界を代表する両者の力勝負。4994人のファンは酔いしれた。

 田中将 追い込まれてから四球を選ぶのはさすが。まだオープン戦。シーズンでいい勝負ができれば。

 坂本 立ち姿、マウンドさばきは純粋に格好良いなと引き込まれた。次は打てるようにしたい。

 何事もきちょうめんな田中将らしくシーズン前の最終登板で7回3安打1失点と仕上げた。この日は武器のスプリットの落ちが悪く、試合中に修正もできず。それでも直球とスライダーを軸に強力打線を抑え「何とかまとめられた」と語った。

 2月6日のキャンプ合流から軟らかいマウンド、質の違うボールなど丁寧に課題をつぶしてきた。「今日までいろいろあって、それが良かった。準備段階としてやることはやれた」と田中将。3・27の再出発。背番号18が凱旋マウンドに立つ。(後藤 茂樹)

 ▽田中将と坂本の前回対戦 13年11月3日の日本シリーズ第7戦(Kスタ宮城)、楽天が3点リードの9回に田中将がリリーフ登板。無死一塁から坂本を打席に迎え、3球連続のスプリットで空振り三振となった。前日の第6戦では、左中間フェンス直撃の二塁打を放つなど3安打。田中将は160球完投ながら12安打4失点でシーズン初黒星を喫した。また、田中将と坂本の対戦は高校時代に3度。プロ入り後は交流戦、球宴を含めて6度あり、20打数6安打、打率・300。13年の日本シリーズは3試合で9打数3安打3三振だった。

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