エンゼルス・大谷1号に松井を見た 日本人最多31発超えへ号砲 今季初安打が最優秀救援腕撃ち

2021年04月04日 02:30

野球

エンゼルス・大谷1号に松井を見た 日本人最多31発超えへ号砲 今季初安打が最優秀救援腕撃ち
<エンゼルス・ホワイトソックス>9回、今季初本塁打となる2ランを放ちトラウト(左)に迎えられる大谷 Photo By 共同
 【ア・リーグ   エンゼルス8ー12ホワイトソックス ( 2021年4月2日    アナハイム )】 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が2日(日本時間3日)、ホワイトソックス戦に「2番・DH」で出場し、大量ビハインドの9回に今季初安打となる1号2ランを右中間席に運んだ。ジョー・マドン監督(67)は今季初登板の前日である3日(同4日)の同戦での打者起用を明言。二刀流での完全復活を目指すシーズンは打席が増える見込み。04年のヤンキース・松井秀喜の日本選手最多記録である31本塁打の更新も可能だ。
 大谷らしいしなやかなスイングで大飛球をかっ飛ばした。9回2死二塁。抑え右腕ヘンドリックスの97マイル(約156キロ)直球をはじき返した。打球速度106・3マイル(約171キロ)で飛距離は421フィート(約128メートル)。右中間席中段に到達した。

 今季9打席目の初安打が1号。勝利にはつながらなかったが、このオフに4年総額5400万ドル(約59億9000万円)の契約を勝ち取った昨季最優秀救援投手からの一発だけに価値がある。これがマリナーズ・城島健司に並ぶ日本選手歴代3位の通算48号。マドン監督も「才能あふれる選手同士の対決。翔平は自信を深めるに違いない」と目を細める。

 初回も大物から快音を響かせた。15年サイ・ヤング賞左腕カイケルのシンカーを強振。打球速度約174キロの痛烈なゴロが一塁手のグラブをすり抜け右翼線に転がる間に快足を飛ばして三塁に達した。1万人以上の本拠地のファンも立ち上がって歓喜。記録は失策となったが、その後の先制につなげた一打に指揮官は「間違いなく三塁打」と抗議する意向を示して評価した。

 マドン監督は夢プランも明かした。今季初先発前日の3日(日本時間4日)のホワイトソックス戦の打者出場について「彼はプレーしたがっている。彼は打つ」と明言。疲労による故障を防ぐため日本ハム時代の5年間でも登板前日の野手出場は3度しかない。スタメンなら日米通じて初だ。すでに今年はオープン戦で「リアル二刀流」を2度もこなし、知将は登板翌日の打者出場の可能性も示唆。打席が増えれば自身初の規定打席到達も可能だ。メジャー最多は1年目だった18年の22本塁打。04年のヤンキース・松井秀喜(現ヤ軍GM特別アドバイザー)が記録した日本選手最多の31本塁打超えにも期待がかかる。

 松井秀喜は現役時代に「メジャーの投手の厳しい球は簡単に打てない。打つべき球、甘い球をいかにしっかり打つか」と話していた。この日の全5打席で投じられたのは23球。相手も好投手が多かったことで、ストライクゾーンに来た甘い球は初回に失策を誘った強い打球と本塁打の2球だけだった。レジェンドをほうふつさせる投手攻略法を披露した。

 試合前にはブルペンで21球を投げた。次々と制限が解除されれば、二刀流で伝説的な数字を残すかもしれない。完全復活を狙う2021年。夢は広がる。

 ≪スタメンなら日米で自身初≫大谷の登板前日の打者出場は日本ハム時代に3度だけ。最初は新人だった13年8月8日の西武戦に代走で出場し、翌9日のロッテ戦に救援で登板。ソフトバンクとの優勝争いが佳境だった16年9月27日の西武戦では代打で二塁打を放ち、翌28日の同戦で、優勝決定試合では史上初の1―0完封を達成。4年ぶり7度目のリーグ優勝を決めた。

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