エンゼルス・大谷がルース以来88年ぶり偉業 米移籍後初の「リアル二刀流」で特大弾
2021年04月06日 02:30
野球
「体自体は動いていた。ファンも多く入って、去年とは違う雰囲気。凄く野球をやっているなという感じ」。2死から四球を与えたものの無失点で、この回だけで100マイル以上が3球。レギュラーシーズンでは2年ぶりの有観客が投手としての闘争心に火を付け、投球時には声が出るほど力がこもった。
「SHO TIME」はここから最高潮を迎える。ベンチに戻ると、ヘルメットをかぶり、打撃手袋とエルボーガードをつけ、慌ただしくネクストバッターズサークルへ。大リーグの歴史で「2番・投手」で先発するのは、1903年のジャック・ダンリービー(カージナルス)以来、118年ぶり。その初球だ。ホ軍先発シースの97マイル(約156キロ)直球を叩くと、すさまじい衝突音とともに打球は右中間席中段に突き刺さった。飛距離451フィート(約137メートル)の特大弾。大谷は表情を変えず、ダイヤモンドをゆっくりと回った。
打球速度115・2マイル(約185キロ)は今季メジャー全本塁打で最速。開幕から苦戦していた高めの速球を仕留めた。「いいコンタクトをしたら勝手に本塁打になると思っている。詰まっても、先っぽでも、いい角度に上がれば」。投手として100マイルを投げ、その裏、打者として115マイルの打球をかっ飛ばす。日本ハム時代の16年には「1番・投手」で出場し、初球を先頭打者本塁打した。それに匹敵する衝撃を全米の野球ファンに与えた。
88年前の1933年10月1日。元祖二刀流のベーブ・ルース(ヤンキース)は「3番・投手」で先発して完投勝利を挙げ、打撃では5回に本塁打を放った。1~7番で先発した投手が本塁打を記録するのは、そのルース以来。これが「リアル二刀流」の醍醐味(だいごみ)。この日、1万2396人の観衆は歴史の目撃者となった。
「打席は全部ほぼ完璧な内容。(投手としては)いい球は行っていたと思うけど、5回はもう少し。一つ公式戦でこういう形でできたのはよかった」。5回2死で降板。3年ぶりの勝利投手は次回にお預けとなったが、最後まで球速は衰えず、100マイル以上を計9球記録した。投打とも確かな手応えが残った。
メジャーの長い歴史で同一年に「10勝&10本塁打」を達成したのは、1918年のルース(当時レッドソックス)ただ一人。そのルースでさえ、20年には打者に専念し、33年の試合はシーズン最終戦にファンサービスを兼ねてマウンドに上がったもの。投手としては最後の登板だった。それだけ最高峰の舞台で二刀流を極めるのは難しい。しかし、大谷ならできるかもしれない――。「100マイル―100マイル」の衝撃を目にした野球ファンはそう思ったに違いない。
【1933年のルースの「3番・投手」&本塁打】シーズン最終戦となった10月1日のレッドソックス戦。38歳のルースは3年ぶりに登板し、12安打されながらも5失点で完投勝利。通算94勝目を挙げた。打者としては3打数1安打。同年は打率.301、34本塁打、104打点をマークした。ルースは2年後の35年シーズン限りで現役を引退した。
≪城島超えメジャー通算49本塁打≫大谷はこの日の一発でメジャー通算49本塁打に。城島(マリナーズ)を上回り日本選手単独3位に浮上した。ちなみに日本ハム時代は48本。こちらの数字も抜き、日米通算100号まで残り3本とした。歴代トップの松井(ヤンキースなど)、2位のイチロー(マリナーズなど)は100本塁打以上。大谷は18年のメジャー1年目から22、18、7本塁打で、今季どこまで数字を積み上げるか。
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