矢野監督も舌を巻いた阪神・伊藤将のハート 「肝のすわった」投球で、虎新人初の巨人戦でプロ初星

2021年04月08日 05:30

野球

矢野監督も舌を巻いた阪神・伊藤将のハート 「肝のすわった」投球で、虎新人初の巨人戦でプロ初星
<神・巨>初勝利を挙げた阪神・伊藤将(右)は矢野監督に祝福される(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神7ー1巨人 ( 2021年4月7日    甲子園 )】 ようやった!阪神は巨人に7―1で勝利し、宿敵相手に連勝でカード勝ち越しを決めた。先発したドラフト2位・伊藤将司投手(24)は再三走者を背負っても動じることなく、堂々たる投球で7回6安打1失点と好投。球団新人では初となる「プロ初勝利」と「巨人戦初登板勝利」を同時に達成し、節目の一歩を踏み出した。チームは4連勝で、首位を堅持した。
 マウンド上でも、初のお立ち台でも、堂々と振る舞った。プロ初の甲子園、そして宿敵巨人との初対戦。力むのが当たり前の舞台でも、普段通りに7回114球を投げ、1失点。左腕は落ち着き払った表情で、初勝利の味をかみしめた。

 「強打者がいるチームで、その中で粘り強いピッチングができた。低めに集めて打たせて取ることができたのでよかったです」

 毎回走者を背負っても、切り抜けても、常にポーカーフェース。「なるべく相手に隙を見せないように」。初回に2安打されながら亀井を三ゴロに仕留めて踏ん張ると、1点を失い、なおも2死三塁の5回には同学年の4番・岡本和を143キロ直球で遊ゴロ。「長打を打てる打者なので、なるべく低めに投げる意識をしていた。右打者にはカットボールとかツーシームでゴロを打たせたり、三振も取れていたので、そこはよかった」。丁寧に低めを付き、なおかつ緩急自在。「大人の投球」が光った。

 安定した制球力は、幼少期からの反復練習のたまものだ。小学生の頃から週2日のクラブ練習日以外は毎日、日が暮れるまで父のミットに白球を投げ込んだ。構えたところに決まるまで練習を切り上げようとせず、父の手はたびたび、赤く腫れたほどだった。

 プロ入り後の今もその姿勢は変わらない。たとえば今春キャンプの投球練習で変化球の制球に納得がいかない時は、10球連続で確認作業を行うなど体に染みこませていた。その成果を、横浜高時代に2度出場も、不完全燃焼に終わった甲子園で発揮。「いい思い出が無かったですけど。リベンジはとりあえず果たせたと思います」と笑みがこぼれた。

 「プロ初勝利」と「巨人戦初登板勝利」の同時達成は球団新人初の快挙。矢野監督からも「ルーキーということを考えさせない、ピッチングも性格も。肝のすわったピッチングをしてくれました」と称えられた。セ・リーグ新人一番乗りで、横芝中軟式野球部時代の2学年後輩の楽天・早川に続く白星。「地元が一緒でセ、パ初勝利はすごくうれしい。同じ左なので、そこでは負けないよう、これからもやっていきたい」。刺激を受ける後輩左腕への意地も光ったプロ初星だった。

 <記者フリートーク 阪神担当・長谷川凡記>

 マウンドで見せる伊藤将の引き締まった表情とは異なる「天然」な一面からは、親近感が湧いてくる。

 ドラフト指名直後、初となる関西での生活について聞くと、「甲子園は大阪にあるんですよね?」と答えが返ってきた。「兵庫県だよ」と教えた私は単なる勘違いだと思っていたが、その後の言動で「天然」を確信した。

 「関西弁は怖い。言葉も通じないことがあるんですよね」。けっこう普通のことを深刻な表情で心配したかと思えば、その直後には「たこ焼きや、お好み焼きとか本場で食べたいです」ともう食べ物に思いをはせていた。まさに「天然」。話の切り替えが早いのにも驚かされたが、その切り替えの早さは、この夜の投球に生かされていた。

 《左腕で巨人戦初登板勝利は江夏以来》巨人戦初登板の伊藤将(神)が7回1失点でプロ初勝利。阪神新人の巨人戦初登板勝利は、全選手が新人だったプロ野球初年度の36年を除き、16年の青柳以来5年ぶり7人目。左腕では67年江夏豊以来54年ぶりになる。一方、巨人戦でプロ初勝利の阪神新人投手は、03年久保田智之の救援勝利以来18年ぶり、先発では87年猪俣隆以来34年ぶり。「巨人戦初登板でプロ初勝利」は伊藤将がチーム新人初の達成者だ。

 ◆記念展示 甲子園歴史館では阪神・伊藤将の初勝利球の展示を8日から開始。5月5日までの予定だ。
 
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