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青木宣親―村上宗隆、鈴木大地―加藤翔平 愛ある厳しさで育まれた固い絆

2024年09月22日 08:00

野球

青木宣親―村上宗隆、鈴木大地―加藤翔平 愛ある厳しさで育まれた固い絆
花束贈呈で登場した村上(右)と笑顔でハグする青木(撮影・村上 大輔) Photo By スポニチ
 ぐっとくる光景だった。9月13日、都内で開かれたヤクルト・青木宣親外野手の引退会見。花束を持って会見場に登場した村上宗隆内野手は師と仰ぐ青木と抱き合い、涙で言葉を詰まらせながらこれまでの感謝を伝えた。
 「たくさん迷惑かけたりしましたけど、今こうして良い人生を歩めているのはノリさん(青木)に出会ったおかげですし、本当に感謝しています」

 1年目の18年オフから青木が主宰する合同自主トレ「チーム青木」に入門し、プロ野球選手としてだけでなく社会人として大切なことを徹底的に叩き込まれた。令和初の3冠王を獲得し「日本の4番」にまで成長できたのは“アオキの教え”があったからこそ。厳しく叱責されたこともあったそうだが、ともに過ごした時間の全てが村上の財産になっている。

 「僕がまだ若くて、ミスだったり人間的にもダメなことをしてしまった時にたくさん叱ってくださった。道を正すというか、人ごとじゃなく愛を持って接してくれた」

 愛弟子の言葉に青木も「関係が深かったので、やっぱり思い入れは人一倍。年々成長していった。これから幸せな野球人生を送ってほしい」と涙を拭った。

 会見の数日前。ロッテ担当時代から公私ともに付き合いがある中日の加藤翔平外野手と会って話す機会があった。12年間の現役生活を振り返る中で「ロッテで(現楽天)鈴木大地さんに会えたことが本当に大きかった。あの人について行って良かった」と言い、こう続けた。

 「ただ優しいだけの先輩じゃない。間違ったことをした時には、僕のことを思って本気で叱ってくれた。そんな先輩なかなかいないですからね」

 ただ感情をぶつけて「怒る」のと、愛を持って「叱る」のは全くの別物だ。何かと「○○ハラ」と言われがちな世の中だが、いつの時代でも本気で向き合えば厳しさの中にある愛情は相手に伝わるもの。固い絆で結ばれた青木と村上、鈴木大と加藤翔の関係性がそれを証明している。(記者コラム・重光 晋太郎)

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