×

阪神・才木 虎の子1点守った13勝目 無死満塁ピンチも全て直球勝負でねじ伏せた

2024年09月23日 05:15

野球

阪神・才木 虎の子1点守った13勝目 無死満塁ピンチも全て直球勝負でねじ伏せた
<神・巨>梅野(手前)と抱き合って喜ぶ才木(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神1ー0巨人 ( 2024年9月22日    甲子園 )】 阪神・才木浩人投手(25)が22日、首位・巨人を驚異的な粘りで封じ、1ゲーム差に詰め寄る大きな勝利を呼んだ。4度の窮地を耐えた7回無失点で13勝目。特に6回無死満塁では全て直球勝負を挑んだ「才木の4球」で虎の子の1点を守り切った。残り6試合。逆転連覇への希望を膨らませ、23日に最後の直接対決を迎える。
 本格派投手たるもの最後に頼る武器は、ストレートしかない。6回無死満塁。才木は2安打されていた長野を初球の内角149キロでバットを折り、投飛に押し込んだ。坂本にも149キロ、148キロを2球続けて二飛。代打・大城卓には「梅野さんのサインは変化球だったけど、首を振って」と初球に150キロを投げ込み、中飛に打ち取った。フルベースから投げた全4球を直球で貫き、1点リードを守った。

 「勝負どころでインコースにいけた。そこが今日はスゴく大きかった。1点もやれない試合で勝ち切れたのはスゴくでかい」

 大ピンチを脱した後のイニング間には、観衆4万2635人の本拠地に「才木コール」が起きた。通常は攻撃で活躍した選手に送られ、投手には珍しい。虎党の熱気を充満させる力投だった。

 7回で降板するまで先頭打者を出すこと実に4度。初回は無死二塁、2回は無死一、二塁、4回は1死一、三塁を背負っても本塁だけは踏ませなかった。「ドキドキする場面が多かったのでウェーイと思いながら投げた」とユーモアをまじえて述懐。今季最大にして最後の天王山の初戦勝利に導き、岡田監督から「最後は力でねじ伏せたというか。ほんと、辛抱して辛抱して。よく投げましたね」とべた褒めされた。

 早々と8勝を挙げた前半戦から一転、後半戦は白星が伸び悩んだ。8月6日の神宮でのヤクルト戦は今季ワースト4失点で6回降板。指揮官は「なんかあるんやろうな」と、クセをほのめかす発言をした。

 原因を分析するために、裏方を含めてチームが一丸になって動いた。安藤投手コーチが分析班に映像チェックを依頼。球団のデータベースに蓄えられた無数の映像の中から球種ごとのサンプルを引っ張り出し、比較、分析をした。その結果、「クセは見当たらなかった」と同コーチ。才木も「自分の実力不足」と割り切った。不安を払拭したことが、この巨人戦までの6試合で4勝を挙げる一因になった。

 昨季はリーグ優勝を決めた9月14日の巨人戦で先発して勝利投手。今季も14勝の菅野に投げ勝ち、優勝争いも、最多勝争いも「1差」に肉薄する仕事をした。今季無敗のビジター10連勝中だった菅野を倒し、巨人に与えたダメージは大きい。逆転Vも初タイトルも手が届く位置に引き寄せた。(倉世古 洋平)

 【判定に救われバント成功】○…幸運な判定に救われた。3回1死一塁。才木はバントを決められず、あっさり追い込まれた。1球ボールを挟んだ4球目は、バントが空を切ったかに見えた。本人もベンチに引き揚げかけたものの、一塁塁審・吉本の手は横に広がった。マウンドの菅野は憤るしぐさを見せた。次の球で犠打を決めたことが、後の中野の適時打につながった。才木は「あれはノーコメントで」と苦笑いで振り返った。

 ▼阪神・安藤投手コーチ(才木は)最初はあまり良くなかったが、さすがエースとしてのピッチングをしてくれた。(中継ぎを休ませることができて)7回まで投げきってくれたのはメチャメチャ大きい。

 ○…阪神は首位・巨人と1ゲーム差。きょう23日の巨人戦に勝っても巨人のM6は消えない一方、勝てば25日にマジック点灯の可能性がある。条件は巨人が23日の阪神戦と25日のDeNA戦に連敗し、DeNAが23日のヤクルト戦で引き分けか負けること。この場合、巨人のマジックが消え、試合のない阪神にM5が点灯する。

おすすめテーマ

野球の2024年09月23日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム