日本ハム・新庄監督の意地！同点9回で万波に代走・五十幡の勝負手で天敵・宮城撃ち

2024年09月23日 06:00

野球

日本ハム・新庄監督の意地！同点9回で万波に代走・五十幡の勝負手で天敵・宮城撃ち — ＜オ・日＞9回、勝ち越しの生還する五十端を迎える新庄監督（撮影・後藤　正志） Photo By スポニチ

【パ・リーグ日本ハム3―2オリックス（ 2024年9月22日京セラD ）】日本ハム・新庄剛志監督（52）が22日のオリックス戦で、苦手の宮城大弥投手を大胆采配で攻略。同点の9回に万波中正外野手が二塁打で出塁すると、五十幡亮汰外野手を代走に送り、内野ゴロで決勝点を奪った。通算10戦で0勝5敗だった天敵から勝利し、優勝マジック1としていたソフトバンクの胴上げも阻止。きょう23日の西武戦（ベルーナドーム）で勝利すれば、18年以来のCS進出が決まる。

　延長戦突入も脳裏にちらつく同点の9回の攻撃だった。先頭・万波が左腕・宮城から左翼フェンスを直撃する二塁打で出塁すると、新庄監督は迷わずベンチを立ち上がり、勝負手を打った。
　「万波君が塁に出たら、五十幡君でいこうと決めていたんで。プレッシャーをかけるためにね」

　延長ならば、万波の打撃も守備も欠かせないはずだが、代走・五十幡を送って一気に勝負を決める姿勢を打ち出した。この采配が的中した。郡司の内野安打と犠打で1死二、三塁とし、代打・松本剛は追い込まれながら低めのフォークに食らいついた。何とかバットに当てた三ゴロだったが、快足・五十幡が本塁を陥れた。

　松本剛「真っすぐで三振するのが一番嫌だったので、当てさえすれば、イソならセーフだなと思って、その気持ちだけで当てました」

　五十幡「（松本剛がバットを）振り出すところぐらいにスタートを切れるようにって感じでした。自分の仕事ができたと思います」

　チームにとっては、左腕・宮城は「天敵」と呼べる存在だった。今季は宮城が登板した試合で3戦全敗。この試合前の時点で、22回2/3で対戦打率は・183。通算対戦成績でも過去10試合で5戦全敗だった。新庄監督は「打ちのめした感じは全くないですね」と苦笑いを浮かべたが、チーム一丸でつかんだ1点は大きかった。

　2年連続で負け越していたオリックスに対し、この勝利で今季対戦成績は12勝12敗1分けとなり、3年連続の負け越しは阻止。京セラドームでの連敗も5で止めた指揮官は「生まれて初めて京セラで勝った気分」とおどけた。デーゲームでソフトバンクが勝利したことで、引き分けでもライバルのリーグ優勝が決まるところだったが、執念のタクトで胴上げも阻止した。

　23日の西武戦で勝利すれば6年ぶりのCS行きが決まる。「決めたいですね。決めてしまえばいろんな作戦も変わってくる」。いよいよ、新庄劇場はクライマックスを迎える。（田中　健人）