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阪神・井上 虎戦士最後の鳴尾浜弾「5年間ずっと練習してきた場所」さらば“虎の穴”

2024年09月26日 05:15

野球

阪神・井上 虎戦士最後の鳴尾浜弾「5年間ずっと練習してきた場所」さらば“虎の穴”
<神・ソ>5回、左中間にソロを放つ井上(撮影・中辻 颯太) Photo By スポニチ
 【ウエスタン・リーグ   阪神6―14ソフトバンク ( 2024年9月25日    鳴尾浜 )】 阪神2軍は25日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦で鳴尾浜球場での最後の公式戦を終え、井上広大外野手(23)が阪神打者では最後の本塁打を放ち、惜別と感謝を示した。1994年秋の開場から「虎の穴」として数多くの選手を輩出し、来年3月に尼崎市内の新拠点へ移転する。
 幾多の選手が汗と涙を流した鳴尾浜球場での最後の公式戦。井上が惜別の快音を響かせた。4点劣勢の5回1死で迎えた3打席目。ソフトバンク・渡辺佑の初球の真ん中直球をフルスイングで打ち返した。

 「点差が開いていて真っすぐが来るだろうなと。5年間ずっと練習してきた場所。最後の試合でホームラン打ったことは良かった」

 打った瞬間に確信した一撃。左中間の防球ネットを揺らした。1軍組ではただ一人、実戦感覚を養うため、志願して前日24日から2日連続の2軍参戦。会心の8号で有終の美を飾った。入団1年目だった20年からの3年間を「虎風荘」で過ごし、夜間練習に励んだ回数は数えきれない。感謝をバットに乗せ、阪神打者では最後の放物線を描いた。

 「室内でもそうですけど、ずっと練習していた。ここがなくなるのは寂しいですけど、引き続き頑張っていきたい」

 きょう26日から1軍に戻るため、3打数1安打で終えた。既に規定打席を満たし、打率・308は現時点でウエスタン・リーグトップ。21年の打点王、22年の最多安打に続く戴冠へ前進し、1軍で活躍する上で課題だった「確実性」も向上した。「やってきたことをしっかりと1軍でもファームでも関係なくやるというのは大事。ファームの試合であってもしっかりと準備をやってきた」と胸を張った。

 前夜は京セラドームに足を運び、履正社の大先輩でもあるT―岡田の引退試合を観戦。10年にノーステップ打法で本塁打王を獲得した先輩は、タイミングの取り方で悩んでいた際に2軍戦であいさつへ向かうと優しく声をかけてくれた。「スゴい先輩を持っていることを誇りに思っている。しっかりと追いかけていきたいと思っています。出番があれば、しっかり頑張りたい」。決意を新たに残り5試合を見据えた。 (石崎 祥平)

 ○…鳴尾浜球場では1995年からの2軍公式戦で通算1472本塁打が飛び出した。初本塁打は95年4月12日のダイエー・林孝哉(現日本ハムヘッドコーチ)。阪神選手の初本塁打は、同16日の近鉄戦で鮎川義文が放っている。

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