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法政大学【明大戦展望】開幕ダッシュへ 好調エース斎藤攻略なるか

2017年09月16日 05:30

野球

法政大学【明大戦展望】開幕ダッシュへ 好調エース斎藤攻略なるか
ユニバーシアードを通してさらなる成長を遂げた斎藤(C)スポーツ法政新聞会 Photo By 提供写真
 秋季リーグ戦の幕が上がる。初戦の相手は宿敵明大。投手陣は斎藤、森下暢のダブルエースが控え、打線も4番の逢澤を中心に粘り強い攻撃を仕掛ける。10季ぶりの優勝に向けて是が非でも開幕カードを取りたい法大。「血の法明戦」にふさわしい激闘が予想されるだろう。

 いよいよ秋のリーグ戦が始まる法大。10季ぶりの覇権を取るために夏は北海道キャンプなど行い一回りも成長をみせた。初戦の相手はいきなり宿敵明大。昨季は連勝で勝ち点を奪い意地の6連勝のきっかけとなったが、油断は出来ない相手だ。

 早明戦を死闘の末、勝ち点を奪った明大。その中心となったのは斎藤大将だ。1回戦を完封勝利すると3回戦も11回途中2失点の力投で勝利に貢献。六大学トップクラスだった得意のスライダーに加え、夏に習得したチェンジアップで打者を翻弄。昨季2勝に終わったエースが覚醒のときを迎えようとしている。昨季、先発に定着した森下暢仁はこの夏、大学日本代表に選ばれユニバーシアード競技大会に参加。決勝戦では強敵アメリカを7回無失点、11奪三振の快投で優勝に貢献。早明2回戦では2回3失点KOに終わったが、法大打線は心してかからなければならないだろう。 他にも実績十分の水野匡貴、早明3回戦でリーグ戦初勝利をあげた高橋裕也、フレッシュリーグ法大戦で見事な完投勝利を挙げた長江理貴、ルーキーの入江大生が控えており投手陣は盤石と言える。 明大打線は早明2回戦で12安打8得点と爆発力を秘めている。逢澤崚介は1回戦で3打点をあげ4番の仕事を果たすと昨季外野の一角に定着した越智逹矢も2回戦で3ランを含む5打点の活躍。昨季リーグ5位と低調に終わった明大打線も要注意と言える。

 昨季から投手陣が安定してきた法大。中でも昨季最優秀防御率に輝いた菅野秀哉(キャ3)、そして長谷川裕也(経4)、熊谷拓也(キャ4)の「三本柱」は盤石と言える。他にも石川達也(キャ1)、落合竜杜(法1)、鈴木昭汰(キャ1)の1年生トリオや成長著しい朝山広憲(法2)が控えている。先発から抑えの熊谷までの継投が鍵になるが、青木久典監督は「勝負と思ったら、早いイニングから熊谷でいく」と口にしており、エースのフル回転が期待される。万全と言える投手陣だが、心配な点をあげるとすれば最近のオープン戦で調子を崩している長谷川。それでも経験豊富なベテランだけに開幕までには修正してくるだろう。 打線の中心となるのは昨季ベストナインの相馬優人(営2)と4番の中山翔太(人3)。さらに昨季を故障で棒に振った向山基生(営3)も順調な調整をしており、主軸を担いそうだ。左打者が多い法大において斎藤攻略には向山と中山のバットにかかっているとも言える。開会式を欠席した森龍馬(キャ4)の状態が心配されるが、外野には8月のオールスターで活躍した原田寛樹(法3)や昨季の雪辱を期す毛利元哉(法2)がおり、大幅な戦力低下とはならなさそうだ。また昨季の慶大3回戦で頭部死球を受けて長期離脱していた大西千洋(営3)も実戦復帰を果たしており、明大戦では代走や守備固めでの出場が予想される。

 互いに投手力がある為、「血の法明戦」らしい接戦になる可能性が高く、一瞬の隙が勝負を分けるだろう。早明戦の勝利に沸く明大を破るにはより一層集中して望まなければならない。毎回、開幕ダッシュに失敗がV逸の原因となっているだけにこのカードが最初にして最大の山場になっていく。有終の美に向け、まずは宿敵撃破で勢いをつけたいところだ。(スポーツ法政新聞会・渡辺拓海)

 【ルーキー特集】

 ●柏野智也 (ルーキーながら昨季3試合に登板 後輩達の活躍胸に飛躍を誓う)

 今季法大は10季ぶりの優勝に挑む。歓喜に向けて真っ先に求められるのが投手王国の確立だ。昨季は菅野が最優秀防御率を獲得、長谷川も防御率ランキング3位となり3勝を挙げ、盤石な先発投手陣の様相を見せた。さらなる順位浮上を狙うためには先発投手の後を継ぐ中継ぎ投手陣の活躍が鍵となる。その中で注目したいのはルーキーの柏野智也(営1)の投球だ。

 昨季は1年生部員で唯一の開幕ベンチ入りを果たし、開幕戦の早大1回戦で中継ぎデビュー。ワンポイントでの登板になったが安打を許さず、堂々のスタートとなった。柏野の持ち味は「強気」である。マウンドでの柏野は普段の穏やかな性格の彼からは一変、相手打者に闘志あふれる姿勢で立ち向かう。強気で押す直球を武器に、時折変化球を織り交ぜながら相手にタイミングを取りづらくさせる投球で、ここまで夏のオープン戦で好投を見せている。中継ぎとしてビハインドの場面で登場することも多い投手にとって、このような強気の姿勢は必要最低限のものである。これから数々のリーグ戦を重ねるにつれて彼の経験値もさらにレベルアップし、行く行くは先発の舞台を踏む可能性も十分に高い。柏野本人も先発は「常に目指している場」というように話し、まずは中継ぎの地位の確立、そして先発の舞台に向けて突き進んでいく。

 夏の甲子園で母校である広陵高校が見事準優勝を成し遂げた。地元に帰省した際に彼は母校を訪問し、甲子園の1大会最多本塁打記録を更新しU-18日本代表にも選出された中村奨成ら強力打線を形成した後輩部員たちの打撃投手となって練習に参加。先輩として陰ながらチームを支えた。中村とはバッテリーを組んでいた柏野。対戦について聞いてみると「僕は抑えましたよ」と笑いながら答えてくれた。後輩たちが準優勝を果たしたことで「自分としても刺激を受け、もっと頑張らなければならないと思った」と飛躍を誓った。

 今季は同級生たち1年生投手が次々と力を付け、数少ない中継ぎ投手の座を奪い合うことになるだろう。より成長した自分の姿を今季も神宮のマウンドで見せることができるか。柏野の強気な投球に目が離せない。(スポーツ法政新聞会・岡崎祐平)

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