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慶應義塾大学【対立大1回戦】土壇場からの逆転劇。総力戦で激戦を制す

2017年10月16日 05:30

野球

慶應義塾大学【対立大1回戦】土壇場からの逆転劇。総力戦で激戦を制す
勝ち越しの四球を見極めた倉田(C)慶應スポーツ新聞会 Photo By 提供写真
 【対立大1回戦   慶大8-7立大 ( 2017年10月14日    神宮 )】
 優勝に向けて、ひとつの取りこぼしも許されない慶大。試合は中盤にリリーフ陣が崩れ5点差とされ、暗雲が立ち込めた。しかし今季の慶大は諦めない。7回に4点を奪い1点差とすると、9回に河合大樹(環3)の適時二塁打で同点に追いつく。一進一退の攻防となった延長戦、勝負を決めたのは倉田直幸(法4)だった。12回裏二死満塁の場面で押し出し四球を選び、勝ち越すと。その裏を関根智輝(環1)が三者凡退に抑え、ゲームセット。4時間を超える大熱戦を制し、貴重な勝利を手にした。

 前カードで首位・明大に2連勝をし、勢いを取り戻した慶大。勢いそのままに初回、清水翔太(総4)の適時打で幸先よく先制点を奪う。しかしその裏、立大・山根に2点適時二塁打を許し、あっさり逆転を許し、序盤から追う展開となる。同点に追いつきたい慶大だったが、チャンスこそ作るものの拙攻が目立ち、得点が奪えない。一方の慶大先発・津留崎大成(商2)も毎回のようにピンチを招くが、追加点は許さない。

 試合が再び動いたのは5回だった。1死から岩見雅紀(総4)が四球を選ぶと、続く清水翔が左中間を破る二塁打を放つ。ここで一塁走者岩見が激走。一気にホームまで生還し同点とする。しかし5回裏、悪夢が待っていた。二番手の高橋亮吾(総2)が1死二、三塁のピンチを招くと、適時打を許し1点の勝ち越しを許してしまう。ここで慶大は三番手・石井雄也(商2)にスイッチ。だが、石井も踏ん張れない。2死満塁とさらにピンチを広げると、押し出し四球と走者一掃の適時打で4点を奪われ、5点差とさらにリードを奪われる。

 自力優勝に向けて暗雲が立ち込める中、慶大打線が奮起する。7回、先頭の代打・小原和樹(環2)が安打で出塁したのを皮切りに、柳町達(商2)、清水翔、倉田の適時打で一挙に4点を奪い、1点差とする。しかし続くチャンスでは後続が倒れ同点にするまでには至らない。7回裏には四番手・佐藤宏樹(環1)が2死一、三塁のピンチを招く。ここで立大・藤野が右中間への飛球を放つが、この打球を天野康大(環4)がダイビングキャッチ。球場全体が大歓声に包まれるファインプレーが飛び出し、失点を防ぎ反撃ムードをさらに高める。

 そして9回、先頭の倉田が内野安打で出塁。無死一塁と同点のチャンスを迎える。しかし続く郡司裕也(環2)、照屋塁(環4)が倒れ、二死となり、敗戦の気配が漂ってきた。ここで代打・河合が送られる。この場面で、河合が左翼線に二塁打を放つと、倉田が生還。崖っぷちからの奇跡の同点打となる。

 こうなると試合の主導権は慶大のものとなる。その裏から関根がマウンドに上がると、期待に応え三者凡退とする。10回表の1死二塁のチャンスは走塁ミスもあり、勝ち越しとはならなかったが、裏の1死一塁の場面では郡司が盗塁を刺す一進一退の攻防を見せる。

 そして12回、歓喜の瞬間が訪れる。二死から柳町が四球を選ぶと、途中出場の杉本京平(理2)、清水翔と繋ぎ2死満塁とし、打席には倉田。ここで押し出し四球を選び、喉から手が出るほど欲しかった追加点を奪うことに成功する。その裏も関根が長打力のある立大打線を三者凡退に抑え、ゲームセット。5点差をつけられ、敗色濃厚のゲーム展開をひっくり返して、自力優勝への弾みをつける1勝となった。

 中盤でリリーフが崩れ大量得点を許し敗戦。というのは今までで何度となく見た光景だ。しかし、今日の慶大は一味違った。打線が意地を見せ、また土壇場でも踏ん張り抜く強靭なメンタルも見せた。また、9回以降をほぼ完璧に抑えた関根の好投も光った。華やかなスタメンだけではなく、ベンチメンバーも含めた総力戦の末の勝利は、自力優勝に向けての大きな一歩となりうるはずだ。

 【This is YOUR day!!】帰ってきた大物ルーキー 関根智輝

 春のリーグ戦で2勝を挙げ、一躍注目株となったルーキーだったが、今季は登板機会に恵まれなかった。ようやく巡ってきた今季2試合目のチャンスで、この男の真価が発揮された。もともと多彩な変化球には定評があったが、トレーニングの成果もあり真っすぐの球威もアップ。9回以降を危なげなく抑え、12回の勝ち越しまでの流れを作った。今日の試合、控えも含めた打線の活躍に目がいきがちだが、1点も許すことが出来ない場面での圧巻のピッチングを見せた関根こそ、勝利の真の立役者といっても過言ではないだろう。今後、チームに欠かせない1ピースになるであろうこの男の成長と活躍から目が離せない。(慶應スポーツ新聞会 記事:天野 拓真)

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