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明治大学【対早大1回戦】エース・齊藤が113球完封!早大に白星発進

2017年09月09日 06:30

野球

明治大学【対早大1回戦】エース・齊藤が113球完封!早大に白星発進
早大打線を完封したエース・齊藤(C)明大スポーツ新聞部 Photo By 提供写真
 【対早大1回戦   明大3-0早大 ( 2017年9月9日    神宮 )】
 王座奪還を目指す。ついに幕を開けた東京六大学秋季リーグ戦。第1カードは2011年秋以来、6年ぶりとなる開幕明早戦となった。先発のマウンドを託された齊藤大将投手(政経4=桐蔭学園)は9回6安打1四球の好投。要所を締める投球で自身リーグ戦初となる完封勝利を挙げた。打線は初回、2番・河野祐斗内野手(文4=鳴門)の左中間を破る二塁打を皮切りに、3者連続二塁打の固め打ちで2点を先制。齊藤のテンポの良い投球と二桁安打で終始流れを渡さなかった。3回にも1点を加え、3―0。序盤で奪った3点を守り切り、初戦を白星で飾った。

 キレ味抜群の直球とスライダーがさえ渡る。先発を任されたのは左腕エース・齊藤。最速143キロの直球とキレ味抜群のスライダー、そしてそこに新たに習得したチェンジアップを織り交ぜ、序盤から凡打の山を築く。3回には自らの好フィールディングで併殺を奪うなど早大打線に好機を与えなかった。9回を投げ抜き散発6安打四死球1。9回には当試合初の走者三塁の危機を招くも動じず。最後は外角いっぱいのスライダーで打ち取り試合終了。打者30人を相手に無失点と、エースの風格を見せつける完封勝利を挙げた。自身初の9回完投も「一つ一つのアウトを積み重ねた結果」。目の前の打者との真剣勝負の積み上げが、満足のいく投球につながった。

 世界での経験がもたらしたものは大きい。自身2度目となる大学日本代表に選出され、7月に日米大学選手権、8月にはユニバーシアードに出場。日米では敗戦投手も味わうも、ユニバーシアードでは抑えとして世界の強打者相手にも力負けしない投球を見せた。明大のエースとして精神面、技術面にも成長した男が最後のリーグ戦で真価を見せる。

 鋭い打球が相手三塁手のグラブを弾いた。初回、河野が左中間を破る二塁打を放つと続く渡辺もフェンス直撃の二塁打で続く。1死二、三塁の好機、打席にはオープン戦から好調ぶりをアピールしていた4番・逢澤。「何がなんでもランナーを返すという気持ちで打席に立った」と初球の141キロのストレートを捉えると、打球は三塁手・織原(早大)のグラブを弾いた。打球はそのまま転がり、走者2人を還す2点適時二塁打に。圧巻の3者連続二塁打で早大の左腕エース・小島から幸先良く先制点を奪った。昨季の課題であった“ここぞの場面での一打”。序盤で巡ってきた絶好の得点の機会を、勝負強さが光る4番の一振りで物にした。

 鉄壁の内野陣が投手を援護する。5回、6番・岸本(早大)の打球が齊藤の伸ばしたグラブを跳ねると、そのまま安打となるかと思われたが、明大の名手・竹村春樹内野手(政経4=浦和学院)が魅せた。体勢を崩したまま素早く素手で捕球すると、流れるように一塁に送球。スタンドが沸く中、齊藤の顔にも笑みがこぼれた。チームがこの日奪った併殺は四つ。「守備がしっかりしている明治らしいプレーができた」(齊藤)。相手の攻撃の芽をことごとく摘むと同時に、確実に攻撃へのリズムを作っていった。

 一方で、二つのけん制死を許すなど走塁面では課題が残った。「1点勝負になったら走塁が命取りになる」(竹村)。各大学に好投手がそろうため、今後のリーグ戦では接戦での試合も多く予想される。一刻も早く改善し、手堅く勝利を収めたい。

 確実に勝ち点を奪いにいく。経験豊富な4年生左腕・大竹(早大)なども控える早大投手陣。2回戦も少ない好機での得点が勝敗のカギとなることは間違いない。「今日の勝ちは明日勝たなきゃ意味がない」(中野速人主将・法4=桐光学園)。確実に優勝への歩みを進めるためにも、まずは勝ち点一つ。明早戦を制し、王座奪還への口火を切りたい。[明大スポーツ新聞部・坂田和徳]

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