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早稲田大学【立大戦展望】早くも正念場 逆襲へ向け昨季王者に挑む!

2017年09月21日 05:30

野球

早稲田大学【立大戦展望】早くも正念場 逆襲へ向け昨季王者に挑む!
大竹は持ち前の投球術でリーグ随一の強力打線に挑む(C)早稲田スポーツ新聞会 Photo By 提供写真
 開幕週の明大戦ではエース齊藤大将(4年)を打ち崩せず、勝ち点を落とした早大。優勝へ向けて早くも後がない状況となったが、次戦は昨季王者の立大が待ち受ける。昨季の対戦では小島和哉(スポ3=埼玉・浦和学院)の完封で先勝したが2、3回戦で惜敗し、悔しさの残る勝ち点献上となった。全員野球を徹底し、全日本大学選手権でも59年ぶりに頂点に立った強敵を相手に早大は逆襲ののろしを上げられるだろうか。

 2年生の先発二枚看板、左の田中誠也、右の手塚周が早大打線の前に立ちはだかる。昨季ベストナインを獲得した田中誠は巧みな投球術が持ち味。小柄だが、キレのある直球にスライダー、チェンジアップといった変化球を効果的に織り交ぜてくる。手塚は威力のある直球にスプリット、さらに縦に大きく曲がるカーブが武器。腕の振りからは球種の判別が付きづらいのも特徴だ。ともに四死球は少なく、攻略するには少ない好機で一本を出すしかない。さらに、抑えにはルーキーながら全日本大学選手権で驚異の防御率0.00を記録し、最優秀投手賞を獲得した中川颯(1年)が待機。マウンド度胸は満点で、下手投げから繰り出される緩急自在の投球は短いイニングで攻略するのは至難の業だ。中川投入の前に序盤でリードを広げておくことが勝利へのカギとなるだろう。

 是が非でも先制点を挙げたい早大打線だが、リードオフマンの不在が痛手。夏季オープン戦で不動の1番打者として好調をキープしていた八木健太郎(スポ4=東京・早実)は明大戦で当たりが出ず、3回戦はスタメンから外れた。誰が担うにせよ、立ち上がりの投手を攻め立てる意味でも、リードオフマンの働きが試合の行方を大きく左右するだろう。さらに、不可欠なのが主砲・加藤雅樹(社2=東京・早実)の復調。昨季の首位打者獲得によりマークが厳しくなった影響もあるのか、開幕から11打数無安打と自分のスイングをさせてもらえていない。前を打つことが予想される福岡高輝(スポ2=埼玉・川越東)が好調なだけに加藤が本領発揮となれば初回の得点率は跳ね上がる。その福岡は高校時代のチームメートである立大捕手・藤野隼大(2年)との駆け引きも必見。同じく好調の宇都口滉(人4=兵庫・滝川)とともに打線を活気づけていきたい。 

 守備面では、中軸を務めるポイントゲッターの3人、飯迫恵士(3年)、笠松悠哉(4年)、山根佑太(4年)の前に走者をためないことがカギとなる。昨季はこの三人で計30打点をたたき出した。ここまで9打数5安打と当たっている巧打の2番・峯本匠(3年)を封じ込め、打線の勢いを止めておきたい。笠松と山根は開幕週の東大戦で受けた死球の影響が懸念されるが、万全の状態で出場すれば早大投手陣の脅威となることは明らか。その他にも一発のある大東孝輔(4年)ら実力者たちが切れ目のない打線を形成する。

 立大相手に序盤の失点は命取りとなるため、先発投手に掛かる責任はいつも以上に大きい。先発が予想されるのは明大戦と同じく小島と大竹耕太郎(スポ4=熊本・済々黌)。小島は昨季見せた快投を再び披露し、チームを勢いづけたいところだ。明大戦では粘投で大量失点こそ防いだが、低めに球を集め切ることができず捉えられている印象。負けられないカードでの奮起に期待が掛かる。大竹は明大2回戦で3年春以来の勝ち星を挙げると、3回戦では2番手としてロングリリーフ。我慢強い投球が光った。どこからでも長打が飛び出る立大打線に対し得意とする両サイドへの投げ分けに加え、配球のリスク管理、と高低への意識は特に重要となるだろう。終盤に重要なピースとして期待されるのが、今季は救援に徹する早川隆久(スポ1=千葉・木更津総合)。終盤のピンチ、追う展開での登板も予想されるが、流れを変える投球を見せてほしい。

 非常に総合力の高い昨季王者だが、開幕カードで失った勢いを取り戻すには打ってつけの相手。好機はそう多くはないだろうが、『ここぞの一本』を出し、以前から理想とする4得点以上、3失点以下の試合を展開していきたい。そのためには、明大戦で散見されたような犠打や守備のミスはもう許されない。優勝へ向け、絶対に負けられない正念場。立大のお株を奪う全員野球で勝利し、逆転優勝へ望みをつなぎたい。(早稲田スポーツ新聞会 記事 皆川真仁、写真 郡司幸耀、加藤佑紀乃)

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