猪木氏「元気に旅立てよ!!」緊急会見で盟友アリ氏に別れ
2016年06月05日 05:30
格闘技
40年前の6月26日にアリ氏と戦ったことが自らの人生を変えた。当時、アリ氏が「俺を倒す東洋人の格闘家はいないのか!?」と言った言葉を真剣に受け止めた猪木氏が関係者を通じて「応戦状」を渡し、夢の異種格闘技戦が実現。歴史に残る一戦について「出会うべくして出会った。偶然なのか必然なのかというと、必然。アリはボクシングの現役王者だったので、俺が挑戦状を叩きつけた時に新聞には売名行為と出た。でも、いろいろな事情があってお互いの後ろにあるものがあり、必然で実現した」と振り返った。
世界が注目した世紀の一戦の結果は引き分け。「俺は“何が何でも倒してやる”という気持ちだったが、向こうは向こうで“お遊びだ”と発言した。でも、そんなことはあるわけがなく、それは彼の照れ隠しであり、そう言わざるを得なかった」。試合後、アリ氏の結婚式に招かれて米国に出向いた際に「お互いあれ(引き分け)で良かったな」と直接言われたことがいまだに脳裏に焼き付いており「その時に素直に認め合い“あんな怖い試合はなかった”と彼が言ってくれた。俺自身も大変な緊張と興奮で怖さがあった」と懐かしんだ。
現在は参議院議員を務め「あの試合のおかげで名前が世界に売れて外交をやれている。どこに行っても“アリとやった”という説明があると相手が姿勢を直す」と世紀の一戦は政治の世界でも財産となっている。自らの人生に影響を与えた盟友に対して送るメッセージを問われると、こう答えた。「元気に旅立てよ。俺はいつ迎えにきてもいい。ただ自分の中でアリは私の1年先輩で、アリに見送ってもらうのは嫌だったし、アリを見送った方がいいと思っていた。それが現実になってしまった。葬儀があれば参列したい。とにかくお疲れさまでした」。友情は永遠に続くに違いない。