異種格闘技戦から40年 アリ、猪木両氏に共通する「スポーツ」「平和」

2016年06月13日 09:30

格闘技

異種格闘技戦から40年 アリ、猪木両氏に共通する「スポーツ」「平和」
1976年6月27日、アントニオ猪木(右)がムハマド・アリに64発のアリキックを浴びせた
 元プロレスラーのアントニオ猪木参院議員(73)=日本を元気にする会=が国会内で行った、大学生ら若者に投票を呼び掛けるイベントを取材した。
 猪木氏といえば、3日に亡くなった伝説のボクサー、ムハマド・アリ氏との異種格闘技戦。赤いマフラーを肩にかけ、大学生らに「投票に行こう」とイベントで呼び掛ける姿をみながら、1976年6月26日、東京・武道館での一戦を思い出した。

 当時、小学生だった記者は、この一戦をテレビのニュースで見た。翌日からは、小学校の教室で“猪木VSアリごっこ”が始まった。猪木役が寝転がったまま蹴りを繰り返し、アリ役が素早いフットワークからパンチではなく足蹴りで応戦。シャツやズボンをほこりだらけにして母親から怒られたのを覚えている。

 猪木氏は、この異種格闘技戦で、2人には友情が芽生えたといい「ボクシングの選手より私のほうが付き合いが深かったのかなという感じがする」と振り返った。今年は2人の激闘から40周年にあたり、今月26日が「世界格闘技の日」に制定された。制定者は猪木氏とアリ氏。アリ氏を日本に招く予定だった猪木氏は、10日のアリ氏の葬儀について「飛行機もレンタカーも手配したんだけど、ホテルの方が…。俺が行ってスポットを浴びてもいけないし、落ち着いたら墓参りに行こうと思っている」とさみしそうに語った。記者だけでなく、2ショットを見たかった人も多いことだろう。

 アリ氏の死去について、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は、「彼は世界中の人々を感動させ、スポーツ界を超越して人を引きつけた。平和と寛容のために戦ったアスリートだった。彼こそ真のオリンピアンだ」との談話を発表した。

 猪木氏のこの日のイベントでは、政治資金流用疑惑の渦中にある舛添要一東京都知事について、質問が集中した。そんな中、2020年東京五輪・パラリンピックにマラソンに触れる場面もあった。

 「東京ではなく、ほかの場所でもやれるんだろ。だったらマラソンの男子は広島、女子は長崎でやればいい」と、男女マラソンの広島、長崎での開催を熱望した。

 1989年にスポーツ平和党を結成し、参院議員に初当選した猪木氏らしい提案と感じるとともに、異種格闘技で相まみえた2人の根底には「スポーツ」と「平和」という共通の思いがあるのだと、あらためて感じさせられた。

おすすめテーマ

2016年06月13日のニュース

特集

【楽天】オススメアイテム