【徳山昌守の目】強打にひるまず前進 長谷川の男気勝ち
2016年09月17日 09:04
格闘技
長谷川は会心の試合で男を完全に上げた。素晴らしいの一言だ。ルイスへの挑戦が決まった時に年齢的なものもあって“これが最後の試合になるのか”と思ったぐらい強い王者への挑戦だった。本当によく勝った。
序盤は長谷川が右を出しながら、左ストレートにボディーといい感じで足を使っていた。最初のバッティングは仕方ないが、王者のルイスは打ち合っても追い足がないので、出入りがある展開で優位に試合を運んだ。危ないパンチを振り回してくる相手ながら、右もしっかりと見えていたので当てさせなかった。加えて気持ちが強かった。強打にひるむことがなかった。9回の打ち合いも引いていたら負けていたのを勇気を持って打ち合っていた。王者の左でぐらっときたが、その後は本当に気持ちで戦っていた。ロープに押し込まれても、気持ちだけでパンチを出し、あれで王者の心を折ったと思う。
凄い試合だった。長谷川は歴史に名前を刻んだと思う。今後は第三者が口を出すことではないが、ベルトを獲ったことなので、まずは休んでもらいたい。(元WBC世界スーパーフライ級王者)