【徳山昌守の目】井岡はしばらく負けない 減点も動揺せず“横綱相撲”

2017年04月24日 08:25

格闘技

 【WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦   ○王者・井岡一翔 判定 同級2位・ノクノイ・シットプラサート● ( 2017年4月23日    エディオンアリーナ大阪 )】 井岡が貫禄の違いを見せつけた。11、12回はレフェリーによっては試合を止めたと思う。ジャブよし、攻防兼備。注文のつけどころがなかった。
 3回のローブローの減点は気の毒だった。それでもリズムを崩すことなく、ボディーを攻めた。動揺せず、精神面もまさに横綱相撲だった。

 井岡はしばらく負けないだろう。フライ級が合っていると思うし、無理に上げる必要もない。落とし穴があるとしたら、井岡よりスピードがある選手か、ブンブン振り回す選手しか負ける姿を想像できない。

 大森戦は、確かにタパレスの状態が良くなかった。ただそれ以上に大森が準備不足だった。左構え対左構えの対戦。希少なサウスポーとの戦い方に不慣れと感じた。つまりジャブがなかった。

 リーチと身長で大森が10センチ近く有利だった体格。その利を生かせなかった。ジャブがあれば、被弾せずポイントを稼げる。相手が焦って出てきたところにストレートを突き刺せばいい。

 タパレスはカウンターが良かった。大森はラウンド間のインターバル中、吐き出した水に血が混じったのが気になった。敢闘精神は称えたいが、それならばジャブを突いて接近戦、中間距離の戦いは避け、冷静な組み立てを求めたかった。(元WBC世界スーパーフライ級王者)

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