ボクシングのWBA世界ミドル級王座決定戦で不可解な1―2判定により敗れた村田諒太(31=帝拳)が、再戦指令を受けて「前向きな答えを出したい」と反応した。WBAのヒルベルト・メンドサ会長は25日にパナマの本部で会見し、村田と勝者アッサン・エンダム(33=フランス)の再戦を改めて指令。村田の負けと採点したジャッジ2人、グスタボ・パディージャ(パナマ)ヒューバート・アール(カナダ)両氏への6カ月の資格停止処分を発表していた。
統括団体トップによる異例の指令に、村田はマネジメント事務所を通じて「世間の声に素早く反応いただいた」と感謝。「判定結果に対する私情はなく、試合を組んでいただけたことに対する感謝、そして、明確な形で決着をつけられなかったことを申し訳なく思う」とコメントした。今後については帝拳ジムの本田明彦会長と話し合い、来週中にも決定する方針。この日も「大きなダメージもなく、ボクシングに対する情熱も失われていない」と現役続行に含みを持たせ、エンダムへの雪辱の機会が与えられる再戦指示については「今後を考える重要な材料の一つとして捉え、前向きな答えを出したい」と語った。
本田会長は24日に「(ジャッジの)処分がなければ絶対に再戦はしない」と話していた。村田にはWBOやWBCからも世界戦の“ラブコール”が届いているが、早期の処分発表により、年内にも可能なWBAの再戦が有力な選択肢の一つとなったことは間違いない。