新たに176句、寅さん十三回忌に俳句集
2008年06月26日 06:00
芸能
渥美さんが俳句をたしなんでいたことは、死去直後、週刊誌「AERA」(朝日新聞)に45句が掲載され判明。同誌主催の句会に91年10月から2年半、所属していた。
「五七五」の定型にとらわれない自由律俳句。当初、45句だけと思われていたが、「ほかでも作っていたようだ」という話を聞きつけた元毎日新聞出版局次長・森英介氏(68)が調査。約3年をかけ渥美さんの母校、東京都板橋区立志村第一小学校の展示室、長野県小諸市の「渥美清こもろ寅さん会館」などを取材したところ、合計221句を残していたことが分かり一冊の本にまとめた。
渥美さんは私生活を明かさなかったことで有名。松竹の担当者にも自宅を知らせなかったほど。森氏が集めた句を関係者に見せたところ「一緒に見た風景」などの声が上がり、浅草のストリップ小屋での下積み時代や、結核療養所で渥美さんが感じていたことが反映されていることが判明。本には私信の3句を除く218句に専門家の解説が付き、“寅さんの心の内”が初めて明かされている。
「喜劇人のイメージがありますが、俳句には孤独や寂しさをうたったものが多い」と森氏。218句は年代順にまとめられており、十三回忌を前にファンにとっては、貴重な資料となりそうだ。