88歳・森光子 大記録目前にますます進化

2009年05月06日 06:00

芸能

88歳・森光子 大記録目前にますます進化
舞台「放浪記」初日公演で、若々しい演技を見せた森光子
 9日に通算上演2000回に達する森光子(88)主演の舞台「放浪記」が5日、東京・丸の内の帝国劇場で初日を迎えた。体力強化のため続けてきたヒンズースクワットの回数を増やしたり、五輪競泳金メダリストの北島康介選手(26)の表敬訪問を受けて元気をもらうなど万全な状態でのスタート。89歳の誕生日でもある記録達成日に向け、本人とゆかりの人々を追う――。
 定員約1900席がすべて埋まった帝国劇場に少女のようなかん高い声が響いた。「ただいまー!」。主人公の林芙美子が冒頭で帰宅を告げる場面。森はこれまでの「放浪記」より声を高めにして臨んだ。
 初演の1961年(昭36)から48年、上演1996回目にしての演技の変更。2000回の大記録を目前に、さらに芝居を進化させようという意気込みの表れだった。
 本番直前には、舞台上で記者会見。俳優の東山紀之(42)のエスコートで姿を見せた。森は少し硬い表情。「緊張感はありますか?」と問われると「ありますとも。凄くあります」と率直に認めた。
 冒頭の声を高くしたことに関しては「若い芙美子の声だから高いというわけではなく、はつらつとした大正末期を表したかった。やってみて違和感があったら引っ込めます」と柔軟性を示した。
 これまで朝晩75回ずつ(1日150回)行ってきたヒンズースクワットを、舞台稽古を始めた4月1日から朝晩100回ずつ(1日200回)に増やした。4月22日には稽古場で、渡米直前の北島の表敬訪問を受けエネルギーをもらった様子。北島が北京五輪で金メダルを獲得した際の名言を引き合いに、記者団に「2000回達成したら“なんにも言えねえ”状態になりますか?」と問われると「なりますねえ。あれ(そういう言葉を発する時)は年齢とか性別は関係ありませんから」と笑った。
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