ファラ・フォーセットさん最愛の人にみとられて逝く

　１９７０年代の米人気テレビシリーズ「チャーリーズ・エンジェル」などで知られる米女優ファラ・フォーセットさんが２５日、ロサンゼルス郊外の病院で死去した。６２歳だった。がんで闘病生活を送っていた。俳優のライアン・オニール（６８）から３日前にプロポーズを受けたばかり。最愛の人にみとられて静かに旅立った。 　恋人のオニールと友人でロッド・スチュワートの前妻アラナさんらが臨終をみとった。外国電などによれば、オニールは「家族と友人にとってはとてもつらいときだが、ファラと何年もの間、素晴らしい時間を過ごせたこと、彼女の人生が世界中の多くの人々に喜びをもたらしたことに慰めを見いだしている」とのコメントを発表。薬物中毒でリハビリ施設に入所している長男のレッドモンド（２４）にも母の死は伝えられた。
　０６年に肛（こう）門がんと診断され、同年１０月に摘出手術を受けた。翌０７年に再発。ドイツやカリフォルニア州の病院で治療を続けていたが、今年４月に肝臓への転移が見つかり緊急入院した。５月１５日には過酷な闘病生活を記録した９０分間のドキュメンタリー番組がＮＢＣで放映され話題を呼んだ。
　モデルからキャリアをスタートさせたフォーセットさんは７６年に赤い水着姿のポスターが注目を集め、これがきっかけで同年に放送が始まった「チャーリーズ・エンジェル」に起用された。美ぼうの女性探偵３人の１人、ジル役で人気を博し、美しい金髪とセクシーボディーでセックスシンボルとも称された。
　恋人のオニールとは未婚のまま交際を続け、８５年にレッドモンドをもうけた。その後、破局を迎えたが、がんが見つかってからオニールが献身的にサポート。今月２２日（米時間）には病床でプロポーズしたと伝えられた。この世で結ばれることはなかったが、幸せに包まれて旅立った。

　ファラ・フォーセット　　１９４７年２月２日、米テキサス州コープス・クリスティ生まれ。６９年映画「あの愛をふたたび」で女優デビュー。７６年に俳優のリー・メジャースと結婚し、芸名を一時ファラ・フォーセット・メジャースとしたが、８２年に離婚。主な作品に「シャレード７９」「キャノンボール」など。