「笑点」慰問へ…被災地に笑顔を届けたい!
2011年04月05日 06:00
芸能
前日の3日、芸協のスタッフが仙台入り。仙台市商店街の市民復興プロジェクトの事務局で担当者と会談した。当初、芸協内では、被災地がまだ混乱していることから否定的な声が上がっていたが、被災者でもある事務局サイドから「ぜひやっていただきたい。このままではみんなが落ち込んでいくばかり」と要請された。
芸協は、2004年10月23日に発生した新潟県中越地震でも被災地を慰問。歌丸は「ほんの少しでもわれわれの力で、みなさんの心の傷が癒やせれば幸せ。協会を通して何でも申しつけてください。できる限りのことはやらせていただきます」と力を込めた。
芸協のライバルでもある落語協会に所属するたい平も思いは同じだ。今回、甚大な被害を受けた石巻、気仙沼は、落語家になろうかと悩んでいた大学4年の時、老人ホームで落語を披露して歩いた場所。「東北の皆さんの優しさ、温かさ、笑顔に出会えて落語家になろうと決めた。今回は僕が恩返しする番です」と話した。
慰問への思いを強くしている大きな要因がもう一つある。仙台市出身の妻・千華さんが、宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区のおじ、同県東松島市のおばを津波で亡くしたのだ。「遺体は見つかったんですが…。そばで妻を見ていてつらいです」と話した。
歌丸は、たい平に「“笑点”でもやりましょうよ」と呼びかけた。たい平も「所属協会はそれぞれ違いますが、歌丸師匠を筆頭に力になります」と乗り気。2人は今後、メンバーの三遊亭小遊三(64)、林家木久扇(73)、三遊亭円楽(61)、春風亭昇太(51)らと相談し、“笑いでの支援”を広げていく。
≪貴重な音源オンエア≫「天下たい平…」では、文化放送が所有する貴重な落語音源もオンエア。この日は、歌丸の最初の師匠、五代目古今亭今輔さんの噺(はなし)が流れた。今輔さんが得意とした“おばあさん落語”。歌丸は「何か小言を言われてるみたいに聞こえるなあ」と懐かしがった。この日のもようは24日、来月1日に放送される。