染谷将太&二階堂ふみ “被災地へのエール”に喜び
2011年09月12日 06:00
芸能
親の虐待などで希望を失った主人公の少年が、同級生の少女らに励まされて生きようとする物語。震災から半年というタイミングでの受賞に、染谷は「困難に立ち向かおうとする若者のあがきに対して賞を頂いた。今、日本の若者に賞を頂けたということに意味があると思う」と感想。二階堂は「震災を受けて立ち上がろうとする同世代の人たちに向けての“頑張れ”という思いがあるのでは」と話した。
「行け!稲中卓球部」などで知られる古谷実さんの同名漫画が原作。園子温監督(49)は震災を受け、絶望的だったラストシーンを、希望を抱かせる内容に変更した。染谷は「ラストを見て感動した。どんな絶望の中でも人は希望を持たざるを得ないというシーン。どう捉えるかは見た人次第ですが、僕らは前向きに挑んだ」と込めた思いを語った。
被災地は撮影最終日の5月下旬に訪問。惨状を目の当たりにし「真っ白になって言葉が出てこなかった」と振り返ったが「監督が決意しなかったら、あり得なかった映像。それを海外の映画祭に持って行けたことを誇りに思う」と強調した。
同賞は98年に創設され、日本人の受賞は初めて。2人はピースサインをつなげて「W受賞」をアピール。染谷はインターネットで受賞を知ったといい「今もフワフワしてます」と実感が湧かない様子。染谷からの電話で知った二階堂は「今でもうそとしか思えない」と言いながら満面の笑み。将来について「とにかく世界に出たいと思っていた。今回、評価を受けて(夢に)一歩大きく進んだ」と胸を膨らませた。
≪園監督、2人は「海外でも勝負できる存在」≫10日夜(日本時間11日未明)に現地で行われた授賞式には園監督が出席。代理でトロフィーを受け取り「この映画をあらゆる若者の未来にささげます」と英語で述べた。共同電によると、授賞式後の記者会見では2人について「個性的で海外でも勝負できる存在」と太鼓判。同席した審査員長のダーレン・アロノフスキー監督も「激しやすい思春期を見事に表現した演技。並外れた若き才能にぜひとも賞を贈りたかった」と絶賛した。なお最高賞の金獅子賞はアレクサンドル・ソクーロフ監督のロシア映画「ファウスト」が受賞した。