大滝秀治 文化功労者に「功労覚えないが、舞い上がった」
2011年10月26日 06:00
芸能
大滝は「文化に功労した覚えはないが、功労という言葉に弱くてね。舞い上がりました」と、独特の甲高い声で喜びを表現した。50年、故滝沢修さん、故宇野重吉さんらが旗揚げした劇団民芸の創設に参加して約60年。「これまで充実感はあったが、楽しかったことは一度もない」
現在は奈良岡朋子(81)とともに代表を務めるが、下積みが長かった。宇野さんからは「ハーモニカが壊れたような声は不快」、滝沢さんには「辞めようと決心することも俳優の才能だ」と厳しい言葉ももらった。
それでも俳優を続けるうち、「審判」「巨匠」などの舞台や、テレビドラマなど幅広く出演し、人情味あふれる演技で親しまれるように。
今年6月、舞台「帰還」の稽古で一時的に言語障害になったが回復。「これからは、これ(文化功労者)を基準に芝居を見られるから気が重い」と苦笑しつつ「今どれだけできるか。あと一本、なんとしてもきっちりやりたい」と力を込めた。