勘九郎 亡き祖父・芝翫さんに誓う「芸道に努力、精進」
2012年02月03日 06:00
芸能
勘九郎は「先輩たちから温かい言葉をいただいて、もう感謝の言葉しかありません」と声を詰まらせながらあいさつ。この日は、東京・神谷町にある芝翫さんの家の仏壇に手を合わせてから劇場入り。「亡くなりました祖父2人のためにも、芸道に精進してまいります」と芝翫さん、先代中村勘三郎さんに誓った。
芝翫さんは勘九郎襲名が決まってから、襲名興行の口上に出ることを楽しみにし、死去の直前まで初日の2月2日を指折り数えていた。そんな芝翫さんのために、息子の橋之助が“いきな演出”。芝翫さんが昨年9月、最後の舞台で使ったかつらをかぶって口上。孫の晴れ姿を天国からではなく、舞台の上から見させた。前日1日、勘九郎の母で姉の好江さんに「父のかつらをかぶって出ます」とメールで知らせてきたという。勘九郎は事前には知らなかったようで、口上後、大感激していた。
先月26日、東京・浅草の平成中村座の舞台上で勘三郎と“勘九郎引き継ぎ式”を行い、同30日には襲名興行の顔寄せで「六代目中村勘九郎」として紹介された。初日を前に準備は整っていたが、唯一心残りだったのが、芝翫さんがいてくれないことだった。それも橋之助の計らいで実現。勘九郎は「きょうという日を忘れず、努力してまいります」と宣言、深々と頭を下げた。