“女優魂”最後まで 山田五十鈴さん 三味線の音に首を動かし…
2012年07月10日 17:54
芸能
ずっと「山田先生」「文典ちゃん」と呼び合っていた関係が変わったのは87年、「江戸のまどんな」で北村さんが初めて山田さんの舞台を演出したとき。初稽古の前日に呼び出され、「明日から私は北村さんと呼ぶから、私のことを先生と呼んではいけない」と言われた。若いときに名監督に薫陶を受け、けじめをつける山田さんらしい言葉だった。
山田さんが10年前に倒れてから、見舞いを続けてきた。9日には容体の急変を知り、病室に駆け付けた。代表作「たぬき」で山田さんが弾いていた三味線の音を流すと、拍子を取るように音楽に合わせて首を動かした。息を引き取ったのは、その数時間後だった。