007ばり躍動演出…女王&ボンド 開会ミッション完遂

2012年07月29日 06:00

芸能

007ばり躍動演出…女王&ボンド 開会ミッション完遂
ロンドン五輪開会式で“女王”がパラシュートで降下
ロンドン五輪開会式
 ロンドン五輪の開会式で、86歳のエリザベス女王が上空のヘリコプターからスタジアムへ飛び降りる仰天の演出があった。人気映画「007」の主人公ジェームズ・ボンドのお株を奪うアクションシーン。スタジアムに現れると開会宣言の“ミッション”もこなした。元ビートルズのポール・マッカートニー(70)やサッカー元イングランド代表主将のデビッド・ベッカム(37)らスーパースターも登場し、華麗な幕開けとなった。

 8万人の観客で埋まった五輪スタジアム。大型スクリーンに映し出されているのはユニオンフラッグのヘリコプター。機内には、英国が生んだ“世界最高のスパイ”ジェームズ・ボンドに付き添われたエリザベス女王が乗っている。

 映像とシンクロしながら、上空に本物のヘリが登場。観客が再びスクリーンを見ると、パイロットが親指を立てて「OK」のサイン。すると、女王がピンクのドレスのまま空中に飛び出した。

 上空に目をやると、本物のヘリからもピンクのドレス姿の“女王”が両手を広げて降下。ボンドも飛び降り、英国旗がデザインされた2人のパラシュートが開くと、スタジアム中におなじみの「007」のテーマ曲が鳴り響いた。パラシュートの姿が消えたのと同時に、同じピンクのドレス姿の女王がゆっくりと貴賓席に登場。観客は総立ちで拍手を送った。

 開会式の目玉に、女王をアクションシーンに使うという日本では考えられない演出をしたのは、開会式の芸術監督ダニー・ボイル(55)。「スラムドッグ$ミリオネア」でアカデミー賞を受賞した実力を発揮し、映像と実際のスタントを巧みに融合させた。

 映像は、ボンド役の英俳優ダニエル・クレイグ(44)がバッキンガム宮殿を訪れるシーンからスタート。タキシードのボンドが向かったのは、淡いトーンの家具で統一された一室。そこにはエリザベス女王本人がいた。女王がプライベートスペースの撮影を許可するのは極めて異例で、世界の祭典ならではだ。

 以前から「女王がボンドに五輪開幕のミッションを授ける」という情報が流れ、開会式の演出の多くが事前に世界中のメディアによって暴かれていた。しかし、女王自らが飛び降りるという文字通りの“トップシークレット”を守るミッションは果たされた。

 即位60年の記念の年に開かれた五輪。女王は「第30回近代オリンピアードを祝し、ロンドン大会の開会を宣言します」と威厳のある態度で開幕を宣言。映像とスタントを合わせ約10分間の出番だったが、約4時間続いた開会式の“主役”の座を奪っていた。
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