歌舞伎座 新開場記念で“世紀のお練り”3万2000人祝福!
2013年03月28日 06:00
芸能
沿道からは「待ってました!」などの掛け声とともに、22日に待望の長男が誕生したばかりの海老蔵に「長男おめでとう」、2月に挙式した尾上菊之助(35)に「結婚おめでとう」の声も。海老蔵は満面の笑みで両手を振り、菊之助は照れくさそうに頭を下げた。
人気俳優が勢ぞろいするのは異例で、染五郎のファンで、4月の公演を見に行くという江東区の主婦、武藤洋子さん(66)は「これだけたくさんの役者さんをこんな間近に見ることができるなんて幸せ」と興奮気味。大通り沿いの楽器店の男性店員は「昨年の(プロ野球の)巨人、五輪選手ともバス。雨の中、歩く役者さんたちの心意気を感じました」と盛んに拍手を送った。
セレモニーでは、人間国宝の坂田藤十郎(81)が「あいにくの天候ですが、芝居の方ではお客さんが“降り込んでくる”という縁起のいい門出」とあいさつ。「400年の歴史を持つ歌舞伎の新しいページが開かれます」と力を込めた。
28日は、俳優が舞台に勢ぞろいして手締めをする「古式顔寄せ手打ち式」が行われ、4月2日にこけら落とし興行の幕が上がる。
≪盛り上げる起爆剤に≫紋付きはかま姿の歌舞伎俳優が、沿道の声援に応えながらゆっくりと歩みを進める「お練り」は、襲名披露などの特別な公演に向けた期待を盛り上げる格好の起爆剤。襲名する名跡にゆかりの深い土地や各地の劇場近辺で行われることが多い中、あっと驚かせたのは昨年12月に死去した中村勘三郎さん。東京・渋谷で始めた「コクーン歌舞伎」の開催15周年を記念して09年に、渋谷のど真ん中でお練りをした。昨年、襲名が話題となった市川猿之助や市川中車も渋谷、浅草と東京で2回お練りを企画し、多くのファンを集めた。