目と目で合図 柳葉敏郎 中井貴一のビンタは「非常に痛かった」
2014年02月12日 17:15
芸能
被害を免れた主人公を演じる中井は「実際に震災を受けた人間としてどうやって演じるか、自分の中では強いモチベーションでいた。一番大切なことは僕らが(震災を)忘れないこと。批判を恐れず伝えていくことがメディアの役割だと思う」。「終わりに見た街」(テレビ朝日、05年)以来9年ぶりの山田作品出演となる中井は、山田氏とは1983年の「ふぞろいの林檎たち」(TBS)から実に31年もの付き合い。「山田先生の本は役者が演じてみるとニュアンスが変わる本。本を崩さないように、役者が中でどう生きていけるか、大きなプレッシャーがあった」と重圧を振り返った。
物語のクライマックスには、中学時代の同級生で、津波で亡くなった娘の元婚約者の父でもある柳葉演じる漁師との殴り合いのシーンがある。激しいビンタの応酬となっているが、「アドリブは一切ないです」と中井。「本番前に目と目で合図して、お互いに思いっきり殴り合った。久々に人にビンタされました」と笑った。
柳葉も「阿吽(あうん)というか、いい呼吸がぴったり合ったのかなと。非常に痛かったです」と苦笑いを見せた。そんな2人のシーンに対し、山田氏は「(2人が和解するシーンでは)私の本とは違う形でやってくれた。ステキな大人のアイデアで、お礼を言いたい」と話した。