キムタクも憧れる「HERO」像 “古畑”の田村正和がお手本
2014年09月06日 11:24
芸能
最終話は法廷が主な舞台。俳優の正名僕蔵(44)がある場面で、監督から動き方の指示を受けながら分かりにくそうにしていると、木村が横から補足説明。この様子を見ていた女優の吉田羊(年齢非公表)は「木村さんは皆の動き方を把握してるのよね」と感心しながら明かした。
キムタクは共演者のセリフだけにとどまらず、動き方まで記憶して撮影に臨んでいたのだ。その理由は「感情と感情が重なり合って会話はなされていく。自分以外の言葉や動き、そして感情まで把握して演じた方が、リアルな会話のスピードに近づける」から。「HERO」の人気を支えているのがテンポのいいセリフの掛け合い。それは、こんな工夫から生まれていた。
もちろん負担は大きい。首相役を演じた08年の同局ドラマ「CHANGE」の最終話で20分を超える長ゼリフを完璧に演じ切り、抜群の記憶力で視聴者を驚かせたが、膨大な量のセリフや動き方を覚えるのはやっぱり「つらい!」と率直に明かす。それでも、この作業をやめるつもりはない。 「つらいからって、やめちゃうなら仕事じゃない。大げさな言い方になっちゃうかもしれないけど、共演者もスタッフも熱い気持ちでいてくれるのに“きつい”なんて言ってらんねえ」
そして、セリフは完璧に記憶して「セットに台本を持ち込まない」と決めている。これは「古畑任三郎スペシャル」で共演した田村正和(71)がお手本だ。
「セットの外のチェアに座ってる時は寝てるような感じなんだけど、スタッフから“お願いします”と合図があったらパンと立ち上がって、台本10ページ以上にわたるシーンを完璧に演じ切る。思わず“ワーオ!”って声が出ちゃった」
その姿が強烈な印象として残っており「カジュアルな言い方すると、それを目の当たりにした時に“かっけえな、自分もああなりたいな”と思った。そんなハイパフォーマンスを見せてくれる先輩がいるからこそ、自分らも触発されるんだよね」と力を込める。
先輩への純粋な憧れを口にし、そこに近づくための姿勢に揺るぎはない。スターをつくり上げた骨格を見た思いがした。