ドクターX、HERO…大ヒットドラマに“水戸黄門”的手法
2014年12月19日 14:00
芸能
この型破りでありながら正義感にあふれ、“ぶれない姿勢”の主人公は昨年大ヒットしたTBS「半沢直樹」の半沢直樹(堺雅人)、今年7月から放送され人気を集めたフジテレビ「HERO」の久利生公平(木村拓哉)らに通じるものがある。
今年の民放ドラマでは1月にテレビ東京「三匹のおっさん~正義の味方、見参~」が最終回で同局の連ドラでは史上最高12・6%をマーク、全話平均も同局初の2桁台を記録し、来年1月には続編も放送されるヒット作となった。主人公は3人(北大路欣也、泉谷しげる、志賀廣太郎)だが、正義感にあふれていることは共通しており、1話完結というスタイルも「ドクターX」「HERO」と同じだ。
テレビ朝日・吉田慎一社長11月の定例会見で「ドクターX」について「非常にスカッとする、見ていて楽しい」、編成を担当する平城隆司常務も「視聴者の方の求める気持ちいいドラマになっていると思う」と評価。ストレスを抱える現代社会にあって、多くの視聴者が大門未知子の言動にスカッとする“痛快さ”を感じたのは確かだろう。
昨年「半沢直樹」が大ヒットした際に現代版「水戸黄門」と評する声もあった。シリーズ総計1227回も放送されたTBS「水戸黄門」は、悪人が最後は印籠の前にひれ伏し…と、お約束の展開ながら42年もの長期に渡って多くの視聴者を引きつけた。「勧善懲悪」の表現は当てはまらないにしても、主人公のぶれない姿勢や痛快さ、1話完結、そして結末を知りつつ見られる安心感など「ドクターX」の人気の陰に“水戸黄門的手法”があったことは見逃せない。