児童文学作家の松谷みよ子さん死去 「ちいさいモモちゃん」など
2015年03月09日 11:10
芸能
民話研究家の瀬川拓男と結婚、人形劇団「太郎座」を共同で立ち上げ、全国の民話採集を始めた。その活動から生まれた長編童話「龍の子太郎」(60年)は、貧困など現実社会の厳しさとファンタジーを織り交ぜて再構成し、講談社児童文学新人賞、国際アンデルセン賞優良賞などを受賞。アニメ映画化や舞台化もされた。
自身の子育て体験を基に、保育園に通う女の子と働く母親の日常をほのぼのとつづった「ちいさいモモちゃん」は野間児童文芸賞を受賞、シリーズで600万部を超えるロングセラーになった。児童文学ではタブー視されていた離婚を描いたことでも話題になった。
広島の原爆をテーマにした「ふたりのイーダ」を発表したほか、「原爆の図」の画家、丸木位里さんとともに絵本を作るなど反戦平和を訴えた。
民話だけでなく、民間伝承の採集にも努める一方、「いないいないばあ」の赤ちゃん絵本シリーズなど幅広いジャンルで活躍した。