ピース又吉 芥川賞受賞の快挙「何も考えずに…」無欲の栄冠
2015年07月16日 19:24
芸能
「火花」は、売れない芸人と先輩の交流を通し「才能とは」「人間とは」などの葛藤を描いた意欲作。又吉は太宰治が好きで「人間失格」は自分のことと思えたほど。これまでエッセーや短編を手掛けてきたが、原点となった純文学に本気で向き合ったのは初。昨年9月から3カ月かけて原稿用紙230枚分を仕上げた。
文芸誌「文学界」2月号で掲載されると、創刊82年の同誌が史上初の増刷となって話題に。3月に発売された単行本は今年上半期のベストセラーランキングで2位(日本出版販売調べ)となった。
内容や文体への評価も高く、純文学作家の登竜門とされる「第28回三島由紀夫賞」の候補になり、5月の選考会では受賞作「私の恋人」(上田岳弘氏)との決選投票の末、1票差で受賞を逃した。
この日は選考会を前に、都内で行われた遊園地のPR会見に出席。「リアルに考えれば無理やろうけれど、せっかくやから期待したい」「地元の小・中学校が垂れ幕を用意していると聞いて、アカンかった時は申し訳ないなと思う。(受賞したら)まあ、自然と喜べるんじゃないでしょうか」などと心境を語っていた。
贈呈式は8月下旬、東京都内で開かれる。賞金は100万円。
なお、直木賞は東山彰良氏(46)の「流(りゅう)」に決まった。