椎名桔平 若い時とは物の捉え方変化「表現の幅が広がった」
2015年10月11日 09:30
芸能
小学3年からサッカーを始め、高校時代は三重県代表で国体に出場。青学大在学中にCMに出演したことがきっかけで芸能界に進み、21歳の時に俳優デビューした。
すぐに売れっ子になったわけではなく、劇団の裏方やさまざまなアルバイトをしながら生活。「苦労は買ってでもしろというけど、今思うとあの経験はあってよかった。ぽっと出だったら今頃いないと思いますよ。早咲きの人もいるけど、上の人が教えてくれる現場をたくさん経験することが一番の財産。諦めずにやると必ずチャンスがある」と言葉に力を込めた。
28歳の時、石井隆監督(69)の「ヌードの夜」で同性愛者を演じ、脚光を浴びた。「監督には“匂いとか情とか色気とか、目に見えないものもフィルムには写るんですよ”と言われた。役の感情を信じて演じることで、それをフィルムに焼き付けるということ。それさえ信じることができれば何とかやれる。その教えは大きかったですね」
2003年に結婚した女優の山本未來(40)とは、出演作の感想も話し合う。「良かったら褒めてくれるし、正直なタイプ。僕が言うのも変だけど、未來さんは見る目があるんですよ。いろんな情報を早くキャッチして、映画も“これが面白そう”と言われてよく一緒に見ます」。長男は5歳で「最近は身体的にも強くなってきて、よくやるのはチャンバラ。息子が空手を習っているので教わってきたことをやったり、公園でサッカーもします。そうやって遊ぶのもリフレッシュですね」とパパの顔も見せた。
私生活の充実が俳優業の糧になっている。「演じてきた役は全部、自分の引き出しに経験値としてしまわれているし、人生経験が増えて、若い時とは物の捉え方が変化して表現の幅が広がった気がします。それがまた、この仕事を面白く感じさせてくれる。これからもっと楽しくなってくるんじゃないかな」。色気にもさらに磨きがかかりそうだ。
◆椎名 桔平(しいな・きっぺい)1964年(昭39)7月14日、三重県生まれ。86年に映画「時計 Adieu l’Hiver」でデビュー。「金融腐蝕列島 呪縛」で日本アカデミー賞助演男優賞など受賞。主な出演作はフジテレビ「Age’35 恋しくて」(96年)、TBS「刑事のまなざし」(13年)、映画は「GONIN」シリーズ(95、96年)、「さくらん」(07年)、「アウトレイジ」(10年)など。血液型B。