橘家圓蔵さん死去 81歳 黒縁眼鏡となぞかけで人気
2015年10月16日 12:36
芸能
78年の落語界内紛のときには、師匠の七代目円蔵らとともに一度は落語協会脱退を表明したが、定席を求めてすぐに協会に復帰。82年に八代目橘家円蔵を襲名した。「うまいのは(古今亭)志ん朝、(立川)談志は達者。だからアタシは面白い落語家を目指す」が口ぐせで、どこまでも面白さを追求した。
最近では高齢のため、口調にきれがなくなり、3年前から高座の出演は控えていた。
▼三遊亭円歌さんの話 いつも誰かを喜ばせなくてはと考えている人だった。楽屋に入るとパーッと明るくなる。偉くなってもキャーキャー騒いでいた。そういう方はなかなかいません。落語は、聴いているうちに忘れてしまうことが多いが、お客さまが覚えて帰ってくれるはなしをするのが魅力です。亡くなってしまうとあの芸がなくなってしまう。それが残念です。ご冥福をお祈りします。
▼落語協会顧問の三遊亭金馬さんの話 ずいぶん会わなかったのでびっくりしている。テレビやラジオで忙しい時期もあったが、彼の落語は筋にこだわらない八方破れのところが面白い。お客も人情話ではなく、腹を抱えるほど笑わせてくれるのを期待した。その無鉄砲さが魅力だった。亡くなって寂しい。