急死から24年…根強いフレディさん人気 生誕70年にフィギュア化
2015年11月13日 08:45
芸能
2008年のシリーズ発売開始以来、実在した人物のフィギュア化は珍しく、ミュージシャンではマイケル・ジャクソンさん(09年に50歳で死去)に続いて2人目。フレディさんにとって生涯最後のツアーとなった86年のロンドン公演での勇姿を再現。7月11、12日にウェンブリースタジアムで行われたこの野外公演はCD化やDVD化もされており、パフォーマンス力の高さを改めて示したステージとして洋楽史に刻まれている。
R&B系の熱唱スタイルが多かった当時のロックシーンにあって、クラシックの素養を活かした独特の「オペラボイス」で存在感を高めたフレディさん。激しいハードロックから美しいバラードまで、曲によって様々な表情を見せた。そこを精巧にフイギュア化するため、交換パーツが付属し、顔だけでも「ノーマル」「叫び顔」「歌い顔」の3パターン。95年発売の遺作アルバム「メイド・イン・ヘブン」のジャケット写真に映る、力強く右の拳を突き上げる定番のポーズも再現可能だ。
フィギュア界では従来、劇中やアニメのキャラクターなどと比べて、実在した人物の再現化は、より高度な技術が必要とされてきた。特に、手のひらサイズの量産タイプは、表情に対する評価で「残念」の声も多かった。
バンダイは、過去の映像資料などを参考に、あらゆる角度から骨格、微細な筋肉の流れまでをデジタルデータ化。肌の陰影、眉や皺、ほくろの位置、色素の沈着状態も観察した末、「立体インクジェットプリント技術」で仕上げている。
フレディさんをめぐっては86年のライブ動画だけではなく、様々な年代のプロモーションビデオやプライベート写真なども参照して検証を重ねた。男性にしてはメークが濃く、目の下の影が特徴的だといい、本物感を出すため、ひげ1本にもこだわった。同社側は「(顔などの)原型づくりだけでも300時間を費やした」としている。
今月24日は命日。衝撃的な急死から24年経っても評価が揺らぐことはない。クイーンも初来日から40周年。今月20日にはライブ盤「オデオン座の夜~ハマースミス1975」が発売されるなど根強い人気を見せている。そこにフレディさんの生誕70年が続き、ファンの熱は冷めそうにない。(記者コラム)