水木しげるさん 最後まで妖怪と…2日発売「怪」挿絵&談話

2015年12月02日 05:30

芸能

水木しげるさん 最後まで妖怪と…2日発売「怪」挿絵&談話
2日発売の「怪」(KADOKAWA)表紙。水木しげるさんの生前最後の仕事が掲載されている
 11月30日に多臓器不全で急逝した漫画家の水木しげる(本名武良茂=むら・しげる)さん(享年93)のイラストと談話が、2日発売の雑誌「怪」(KADOKAWA)に掲載されている。水木プロダクションは「最後の仕事」と話している。イラストは「怪談」の挿絵で、最後まで妖怪とともに生きた証となった。
 書き下ろしのイラストは約30点。作家小泉八雲の「怪談」から「ちんちん小袴(ばかま)」「鳥取のふとんの話」の2編を紹介し、その挿絵として描いた。約30ページの中にモノクロでちりばめられている。

 談話は、水木さんが担当していた連載「世界妖怪協会通信」に掲載されている。「最近、妖怪を感ずる」という書きだしで、数行の短い文章ながら「今、目の前をうろちょろしている妖怪は…」と“水木ワールド”が展開されている。ファンにとっては、最後まで妖怪と対話をしていた水木さんを感じられる。

 担当編集者によると、談話と挿絵は10月28日に出版社に届いた。水木プロダクションでは、これまでに発表した文章や漫画が書籍になることはあるかもしれないが、生前に書き記した物としては「最後の仕事だと思います」としている。水木さんは11月11日に自宅で転倒し入院、同30日に容体が急変した。

 「怪」は、水木さんや作家の京極夏彦氏らが作る「世界妖怪協会」の機関誌として、1997年から年に3回ほど出版されている。

 最新号の発売直前での訃報となってしまったことに、担当編集者も「非常に驚きましたし、残念です。連載も途中ということになってしまいました」と話した。連載については「水木プロダクションと話し合いをしていないので、今後のことは未定」という。

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