デビッド・ボウイさん死す 8日69歳誕生日にアルバム発売も…
2016年01月12日 05:30
芸能
共同電によるとキャメロン英首相も「彼を見て聴いて育った。革新を続けた巨匠だ」と悼んだ。
10代の頃、親にサックスを買ってもらい、奏者として活動開始。1964年に歌手デビューしたが、なかなかヒットに恵まれず何度も改名。69年、アポロ11号の月面着陸に合わせて発売した「スペイス・オディティ」で人気を獲得。72年の「ジギー…」で「火星からやってきたバンド」など、架空のロックスターを演じる斬新な表現方法を確立。中性的なメークと衣装で「グラムロック」と呼ばれ、ビートルズ解散以降、喪失感が漂ったロック界でブームを巻き起こした。両性愛者だと話したこともある。
74年には渡米し、ソウル音楽に傾倒。77年からは東西冷戦時代のベルリンで創作し、シンセサイザーを大胆に導入。ジャンルも拠点も容姿も変え続けるアーティスト性を自ら「ロジャー(間借人)」と表現した。ポップス寄りになった83年の「レッツ・ダンス」は700万枚を売り上げた。
日本の歌舞伎にも影響を受け、ステージでは山本寛斎氏(71)の衣装を愛用した。映画「戦場のメリークリスマス」では捕虜となった英軍将校を演じ、坂本龍一(63)とのキスシーンで話題を集めた。
私生活では70年に結婚したモデルと80年に離婚。ローリング・ストーンズの「悲しみのアンジー」(73年)は、この前妻への歌との指摘もある。92年にスーパーモデルのイマンと再婚。00年には音楽誌NMEで「20世紀で最も影響力のあるアーティスト」に選ばれた。
引退説がささやかれていた13年には、予告無しで約10年ぶりのアルバム「ザ・ネクスト・デイ」を発表し、健在ぶりを示した。
17年春には日本で回顧展開催が決まるなど再評価の機運が高まる中の悲報。誕生日の今月8日には新作「ブラックスター」が発売されたばかりで、最期までロックを創作し続けた。