水川あさみ“悪女”で新境地「役者として喜び」ギャップが生んだ起用
2016年02月12日 10:30
芸能
物語は第3話から青年期に突入。山の中にある世間から隔離された施設「陽光学苑」を卒業した主人公たちは、生活の場を「コテージ」と呼ばれる一軒家に移し、共同生活を送る。
第1話のラスト、大人になった恭子(綾瀬)の美和(水川)に対する心の声は「私からすべてを奪った女…」。それは、陽光学苑を卒業する年を描いた第3話で明らかになる。恭子と友彦(三浦)の心の絆を感じ取るや、美和は夜、友彦を誘い出し、キスを迫る。翌日、朝食の席。友彦の横に座った美和は、向かいの恭子に「あれ?分かんないかな?私たち、付き合うことにしたの」と勝ち誇ったように告げるのだった。
友彦を奪った上で、3人で同じコテージに行こうと恭子に“同意を強いる”美和。友人の真実(中井ノエミ)は「ずっと、美和に支配されるつもり?」と恭子を心配する…。
インターネット上には、水川について「最高にイライラする」「超腹立つ。それだけ演技がうまいということなんだけど」などの書き込みが相次いだ。
水川は、演じる美和というキャラクターについて「自分が誰よりも上に立っていないと嫌で、とてもわがままで、人のものは自分のもの…簡単に言うとジャイアンのような人」と笑いながら説明。
ただ「一概に言える悪女ではなく、孤独や寂しさが根底にある女の子。いつも隣にいる恭子への気持ちが強すぎるあまり、彼女の気を引くために上辺だけ見るとすごく意地悪で、嫌な女に映ると思います」と分析する。
「しかし、裏を返せば自分の欲求に素直ですごく人間くさい人物なので、演じていて楽しいですし、魅力的なキャラクターです。そして、嫌な言動の裏には彼女なりの正義や理由があるので、そこにも注目して見ていただきたいです」と奥行きのある人物像だと訴えた。
1997年「劇場版 金田一少年の事件簿 上海魚人伝説」で女優デビューして以来、数々の作品に出演したが「ここまで、いろいろな人から『嫌い』や『ムカつく』と言われる役は初」という。それでも「そのような反応を得られるのは役者として喜ばしいですね。そんな彼女の姿を見ながら、最終的に『美和というキャラクターは実はこんな女の子だったのか』と思ってもらえると、うれしいです」と呼び掛けている。
TBSの渡瀬暁彦プロデューサーは「水川さんはすごくサバサバしていて、明るく楽しく、気を使える大人の女性です。女の人の嫌なところを凝縮したような美和のイメージと、僕自身が持っていた女優・水川あさみのイメージは全くリンクしていなかったのですが、そんな方が、嫌味な、ある意味で本当に人間くさい役を演じたらどうなるのだろうと興味が沸いたのが、そもそものきっかけでした」とギャップから生まれた起用理由を説明。
「なおかつ、そんな女性を演じられるだけの演技力を持っているのは水川さんしかいないと思い、お願いしました」とした。
実際に水川の“悪女ぶり”を目にし「おもしろい、素晴らしいの一言ですね。改めて素晴らしい女優さんだと感じましたし、水川さんにお願いして本当によかったと思いました」と絶賛。
「綾瀬さん演じる恭子という役はすごく受け身な人物ですし、三浦さん演じる友彦にしてもフワフワしていて、自分の中に芯はあるのですが、それを表に出さない人物。そんな中で前半の物語を引っ張っていくのは美和だったりするので、そんな美和をすごく生き生きと、かつ楽しんで演じてくださっている姿を見て、今改めて振り返ってみても美和は水川さんしかいなかったなと思います」と確信している。