桂小春団治 “笑い”を平和につなげたい…3度目NY公演へ
2016年02月17日 15:24
芸能
「テロと報復の連鎖ばかりの世の中。紛争を止めるだけの力は落語にはないけど、落語で笑ってる間は平和な時間。そんな時間を作れれば。ひと時だけでも憎しみや悲しみは忘れられます」
落語での“笑い”を平和につなげたいという思いが強い。米国人向け公演では師匠・春団治の十八番でもある「お玉牛」「皿屋敷」を英語の字幕落語で届ける。「お玉牛」は“夜這い”の話。「皿屋敷」は“復讐”の話。「遺族の前で果たしていいのか、向いてる話なのかとも考えたが。お玉牛は、最後は男がやり込められる滑稽な物語。皿屋敷も幽霊と人間がフレンドリーになっていく流れ。(2題とも)平和のメッセージという意味を持った話」でこの2題を選んだ。
この2題とも小春団治が日本語で演じ、英語での字幕を表示。現在商標登録を申請している字幕落語で笑いを届ける。例えば英語で落語を演じると、ネイティブにはどうしても片言程度に聞こえ、同時通訳では正確に表現が伝わらないことから字幕のスタイルをとる。「従来通りの大阪弁の抑揚、リズム感で上方落語を知っていただく。表情などでイメージを伝えれば、笑いが返ってくるんです」。1人の演者が複数の登場人物を演じる世界に類を見ないコメディスタイルの“RAKUGO”。上方落語が国際交流にひと役買う。