女流落語家・林家ぼたん、大学生で出演料3万円「こんなにおいしいのか」
2016年04月18日 09:09
芸能
それにしても真逆といっていい転身。「お笑いが好きだったのは前提としてあるんですが、プログラミングというのはすぐに新しくなって、勉強しても勉強しても追いつかないんです。私の性格には合わなかった。それなら江戸時代から脈々と続いているアナログの世界に身を置くほうがいいなと思ったんです」。
大学時代には研究の傍ら落研に所属していたが、あるとき知り合いの紹介で寄席に出演した。そのときに出演料としてもらったのが3万円。「大学生のときの3万円は衝撃でした。噺家になるとこんなにおいしいのか、と」
動機に俗っぽさも混ざり合いながらも、とにかく2002年、林家こん平に弟子入りした。05年には二つ目に昇進するが、その頃、こん平が難病の多発性硬化症を患う。大事なときに師匠が病に倒れるという事態となったが、そこは面倒見の良かった先代林家三平が率いた林家一門。林家正蔵をはじめ人材豊富な一門の噺家たちがサポートして、無事に晴れの日を迎えた。
理路整然とした話しっぷりからは、プログラミングで鍛えた知性が香る。後は師匠の破天荒な部分がほどよく加味されれば、さらに化けそうな気配だ。
ひょっとしたらIT企業でバリバリ働いていたかもしれないぼたん。「もうどんな勉強をしてたのか忘れちゃいました。今はおばあちゃんになっても高座に上がっていたいという思いしかない」と落語のことしか頭にないようだ。