福山主演だが…「ラヴソング」女性より男性が支持の理由
2016年04月18日 18:02
芸能
月9の前作「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」の男女満足度(初回)は女性3・49、男性3・47と差はない。また最も高い満足度だったのがM2層(34歳~49歳男性)の3・85と、女性向けのラブストーリーでありながら、より視聴者の心に深く刺さっていたのは意外にも男性だったということがわかる。
今回、福山雅治が3年ぶりのドラマ主演でラブストーリーということで大きな注目を集めたが、内容は吃音(きつおん)で苦しむヒロインのさくら(藤原さくら)が、元プロミュージシャンで現在は臨床心理士の広平(福山)と出会い、歌によって救われていくという、ラブストーリーというよりヒューマンドラマのテイスト、物語の大半は彼女の生い立ちと葛藤が丁寧に描かれた。
福山雅治の月9でラブストーリーというキラキラとした明るいドラマを想像していた女性視聴者からは期待していたものと違い満足度を下げたのに対し、男性視聴者はヒロインがひたむきに吃音と向き合うという姿に応援したいと共感し、高満足度となったのだろう。それと同じように女性視聴者を逃がしたことで高視聴率にはつがらない結果となった。
かつての月9は恋愛ドラマで多くの若い女性たちを共感させ高視聴率を獲得してきた。だが近年の高視聴率ドラマは刑事ものやサスペンス、昨年の「下町ロケット」など男性視聴者も共感できる、男性も見たいと思える作品が高視聴率を記録している。今回それを意図して男性視聴者も取り込める、主演の福山ではなくヒロインにフォーカスしたものに仕上げたのかはわからない。だが満足度の差からこの作品は男性視聴者に響く作品なのは間違いない。福山雅治主演のラブストーリーだからと敬遠した男性にも、その想像を裏切る今回の月9に注目したい。