前田健さん死去 「ロンハー」で体調不良も診察受け収録続けていた
2016年04月27日 05:30
芸能
24日午後7時15分ごろ、新宿区の繁華街の路上で嘔吐(おうと)して倒れ、心肺停止の状態で病院に搬送された。集中治療室(ICU)で治療を受け、一時蘇生したが、意識は戻らないまま26日未明に息を引き取った。病院には両親と兄夫婦、友人らが駆け付けた。
解剖で死因は虚血性心不全と判明。その後、遺体は杉並区にある自宅に戻った。前田さんには不整脈の持病があり、周囲には「心臓が悪い」と説明。先月にはツイッターで不摂生な生活を送っていることを明かしていた。
倒れた24日は、栃木県で午前9時から午後3時までテレビ朝日のバラエティー番組「ロンドンハーツ」の収録に参加。共演者やマネジャーらとともにバスで都内に戻って、いったん帰宅。その後、新宿の飲食店に出掛け、食後に倒れた。
同局によると、前田さんが参加した収録は“オネエタレント”によるスポーツ企画。午前中に50メートル走と走り高跳びを行った。昼の休憩時間に体調不良を訴え、医務室で医師の診察を受けた。回復したため、午後は腕相撲とリレーに臨んだ。
番組関係者によると、収録時に具合が悪いそぶりはなく、複数の種目で上位争いに食い込んだ。笑いも取って「オンエアが楽しみですね」などと話していたという。関係者は「医務室に行ったことは全く気付かなかった。前田さんは後輩タレントにも優しく声を掛けて、周囲を気遣っていた」と明かした。
同局は持病の不整脈について把握していなかったといい「前田さんから持病の説明はなかった。所属事務所は把握しており、本人と事務所が相談した上で収録に参加したと聞いている」と説明。前田さんが同様の企画に参加するのは2度目で、以前は体調不良を訴えることはなかったという。
今後、収録内容を放送するかは「現段階では詳細を把握できてないので未定」と説明。吉田慎一社長は「心よりご冥福をお祈りしたい」と悼んだ。
前田さんは歌手の松浦亜弥(29)のモノマネでブレーク。05年にゲイであることをカミングアウトした。
◆前田 健(まえだ・けん)1971年(昭46)6月14日生まれ、東京都出身。高校卒業後、米ニューヨークにダンス留学。94年に帰国しタレント活動を開始。05年、シングル「恋のブチアゲ♂天国」で歌手デビュー。振付師として、人気アニメ「プリキュア」シリーズのエンディングダンスなども手がけている。近年は俳優として、ドラマ「anego」映画「20世紀少年」などにも出演。