冨田勲氏死去 長男・勝氏がコメント「倒れる1時間前まで打ち合わせを」

2016年05月08日 13:22

芸能

 作曲家でシンセサイザーアーティストの冨田勲(とみた・いさお)氏が5日午後2時51分、慢性心不全のため死去した。84歳だった。所属レコード会社が発表した。葬儀は7日、8日に親族のみで執り行われた。
 長男で慶大教授の冨田勝氏がコメントを発表した。

 【コメント全文】

 今まで父の音楽を愛してくださったすべての方々に厚く御礼申し上げます。

 父はドクター・コッペリウスを完成させたいという並々ならぬ強い思いを持っていて、倒れる一時間前までも楽しそうにそのイベントの打ち合わせをしていました。「11月までは死ねなくなっちゃったよ」と笑って言っていました。

 父はもともと低血圧なので、立ちくらみのように意識が一時的に飛ぶことはよくありました。今回倒れた時も、徐々に意識が薄れていったと思われますので、本人はまた意識が戻るつもりでいると思います。

 私は父にあれしろこれしろと言われたことは一度もありませんでした。既製の常識にとらわれずに、信じた道を突き進む父の背中が、私の人生においていつも背中を押してくれました。

 勲は小さな子供が大好きです、4人の孫と5人のひ孫に囲まれてつい先日も大家族で84歳の誕生日パーティをしたばかりでした。

 父の作品と志は、亡くなることはありません。これからも冨田勲をどうぞよろしくお願い致します。

 長男 冨田勝(慶應義塾大学教授)
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