渡辺謙×山田太一氏 東日本大震災5年後ドラマ「日本人全てに届く」
2016年06月24日 05:30
芸能
震災後、何度も被災地に足を運んできた渡辺は、多くの被災者の思いに触れてきた。その中で「目に焼きついて離れない」というのが、震災1カ月後に避難所で出会った男性の姿。「家族を全て失った彼は、自らの心をブロックした状態で、僕は彼をハグして一緒に泣くことしかできなかった。おそらく主人公もそうした深い心の傷を受けたと思う」と主人公の姿に重ね合わせる。NHKのドキュメンタリー番組でも継続的に福島の酪農家たちを取材しており「彼らの心情もドラマのモチーフに乗せられたら」と話している。
撮影はすでにスタート。山田氏は昨年秋に企画書を送り、今年3~4月にブロードウェー・ミュージカル「王様と私」に主演するなど多忙な渡辺のスケジュールが空くのを待っていた。「謙さんと組めるのなら、“王様と私”が終わるまで待つ値打ちがある。謙さんならば、被害に遭われた方々に穏やかに深く心を寄せて演じてくださる」と全幅の信頼を寄せている。